ビタミンPはビタミンじゃないの?どんな効能・効果があるの?

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ビタミンPはビタミンじゃないの?どんな効能・効果があるの?

野菜不足や果物不足が気になるときに、最近はサプリメントなどで手軽にビタミンが補給できるようになりましたね。

肌荒れにはビタミンC、元気回復にはビタミンB群など、用途に応じて使い分けられますし、全部が一気に摂取できる「マルチタイプ」もすでに定番化しています。

しかし、ビタミンと名のつくものでちょっとマイナーなものがあるのをご存知ですか?

それは「ビタミンP」と呼ばれるもの。

どんなものなのか、一緒に学んでいきましょう!

目次

ビタミンPって何?

ビタミンとは名がついているものの、聞いたことがあまりない名前ですよね。
ビタミンPとは、フラボノイド(色素)の総称です。

ルチン、ヘスペリジン、ケルセチンなどを合わせてビタミンPと呼んでいます。

さて、ゆず湯を楽しんだことはありませんか?
体がぽかぽかして、冬場の体調を整えるのに昔はとっても大切な行事でした。

これは、柑橘系の皮に含まれているポリフェノールを利用したお風呂です。
熟す前の青いみかんの皮や袋、筋などに含まれているヘスペリジンが、毛細血管の強化や血流改善の効果があるため、健康効果が裏打ちされた行事なんですよ。

ヘスペリジンが含まれたビタミンPは、現在「ビタミン様物質」と呼ばれています。

これは、ビタミンPの欠乏症が見つからなかったことからです。

あまり聞いたことがないのはなぜ?

ビタミンPは、1930年代に発見された栄養素です。

発見されてからまだ日が浅いこと、欠乏症がないことから「ビタミン」ではなく「ビタミン様物質」であることなどから、あまり認知されていません。

また、ビタミンPを構成している栄養素やポリフェノールたちが、どれも同じような効果があることから、あまり注目されていないということが原因にあげられます。

今回はこの記事で、ビタミンPについての知識を蓄えて、上手に摂取しましょう。

どんな効能・効果があるの?

まず第一にあげたいのが、ビタミンPにはビタミンCの働きを助ける効果があること。

ビタミンCはみなさんご存知ですよね。
ビタミンCは熱に弱く、すぐに壊れてしまう特徴があります。

ビタミンPはビタミンCを安定させる効果があるので、一緒の状態で熱を加えると、ビタミンPがビタミンCの組織を安定させ、壊れにくくしてくれるのです。

さらにビタミンPは、ビタミンCの酸化を防ぎ、その働きを促進して効果を持続させつつ、ビタミンCの効果を高めてくれます。
ビタミンP自身にもポリフェノールが含まれているため抗酸化作用があるのですが、ビタミンCと一緒に摂取することにより相乗効果が発揮され、活性酸素の除去や老化を予防してくれます。
美白効果などもアップし、メラニン色素の生成を抑制しシミを防ぐとも言われています。

さらに毛細血管を強くしてくれて、血流改善に効果があります。
抗酸化作用があるため血中コレステロール値の改善や発ガン抑制作用などにも期待が高まっている今注目の栄養素なんですよ。

さらにさらに!
男性には嬉しい効果が。
なんと、「育毛」に効く、と言われているんです。
老化に効くのですから当たり前なのですが、最近の育毛剤には「ビタミンP含有」のものもあります。

男性にも女性にも嬉しい栄養素なんですね。

ビタミンPを含む食品やサプリはあるの?

ビタミンPのヘスペリジンを多く含むのは、みかん、レモン、グレープフルーツ、ゆずなどの柑橘類です。
特に白い筋や袋、青い未熟な状態の皮などに多く含まれます。

柑橘類を食べるときは、できるだけ袋も筋も取らずに摂取すると良いですね。
また、ルチンはそばやアマランサスの葉、未発酵のルイボスティー、エルダーフラワーティーに多く含まれます。
ルチンは悪玉コレステロールを分解したり、糖尿病の改善・予防、関節の痛みを軽減する、アルツハイマーの改善・予防、痔の治療効果など、やはり嬉しい効果がたっぷり。
そば茶などでも気軽に摂取できます。

ケルセチンは赤ワイン、玉ねぎ、緑茶、りんご、ブロッコリーなどに含まれている成分。
「えぐみ」や「渋み」などは、このケルセチンがあるから感じられる味覚です。
ケルセチンには、抗酸化作用、抗炎症作用、血圧を下げる作用などがあり、脂肪を分解するのを促進してくれたり、コレステロールなどを低下させる作用が期待されています。

なかなか上記の食物を摂取しにくい…という環境にいるときは、サプリメントが欲しい!と思われるかと思います。
DHCからは「ビタミンP(糖転移ヘスペリジン)」というサプリメントが含まれています。
DHCはマルチビタミンにもビタミンPを含有。

ファンケルからは「ビタミンC & ビタミンP」という、相乗効果が期待できるサプリメントが登場。

大塚製薬の「ネイチャーメイド 食物繊維」にもビタミンPは含まれています。

他にもたくさんビタミンPが含まれているサプリメントはありますので、自分に合ったものを探しみてくださいね。

<摂り過ぎたらどうなるの?

ビタミン類やミネラル類には、「たくさん摂ればいい」というわけではなく、一日の基準値というものが定められています。
これは過剰摂取することによって過剰症を発症させ、さまざまな弊害を起こすものです。
ビタミンAなどの過剰摂取症が特に有名ですよね。

では、ビタミンPの場合はどうなるのでしょうか?

ビタミンPは水溶性の栄養素。
ということは、毎日尿と一緒に排泄されてしまうということです。

体の中に栄養素が留まっている時間が短く、こまめに摂取するべき栄養素ということになります。
つまり「過剰症が起きにくい」栄養素でもあるということ。

今のところビタミンPの過剰症の報告はありません。
副作用はさほど心配しなくても良いでしょう。

ただし、毎日大量に摂取してしまうと、体の中に栄養素が回る前に、排泄に回されてしまいます。
腎臓に負荷がかかるということなので、できるだけ基準の摂取量に近い量を摂るのがベストでしょう。

ビタミンCとビタミンPを同時に摂ろう!おすすめの食べ合わせ

サプリメントは苦手だという方に、おすすめの食べ合わせを紹介しておきますね。

みかんとりんごのサングリア

まずは、アルコールが大丈夫な人にオススメしたい組み合わせ。
サングリアはワインなどに果物を漬け込んだ簡単でフレッシュな果実酒です。

作り方は簡単。

赤ワイン200~300ccに対して、みかんの皮を1個ぶん、りんごやパイナップルなどお好きな果物(甘みを出す用です)を少々用意し、瓶などで全てを漬け込んで1~3日程度待つだけです。

シナモンなどを振って暖かくして飲んでも美味しいですよ。
アルコールが苦手な方は、皮ごと絞ってあるぶどうジュースを使用すると美味しくできます。

アスパラとブロッコリーのとろみあんかけそば

アスパラとブロッコリーにもケルセチンが含まれています。
アスパラには旨味成分である「アスパラギン酸」がたくさん入っているので、できればゆで汁ごと使用したいですね。

アスパラ1本、ブロッコリー1/3個をお湯でゆでます。

そのゆで汁ごとフライパンにアスパラとブロッコリーを写し、解凍したシーフードミックスを加えてさっと炒めます。

鶏ガラの粉末だしとかつおの粉末だしを小さじ1ずつ加え、塩と醤油を適宜使用し味を整えます。

水溶き片栗粉でとろみをつけたら、茹でたそばに絡めて出来上がりです。

汁がたっぷりのところに乗せてもいいですし、パスタのようにあんかけを汁気のないおそばに絡めて食べても美味しいです。

上手に食卓に取り入れて、嬉しい効果を実感しましょう!