神社やお寺でガラガラ鳴らす鈴、正式名称は何?

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神社やお寺でガラガラ鳴らす鈴、正式名称は何?

神社やお寺に参拝するときに、ガラガラと鳴らす「あれ」。

なんとなく鈴だということはわかるのですが正式名称は一体なんなのでしょうか。

そして、「あれ」を鳴らす時のマナーがあるって知ってました?
存在の理由からどこで作ってるかまで、ぜ〜んぶご紹介します!!

目次

正式名称は何?

あのガラガラ鳴る部分は「鈴」で間違いありません。

そしてそこから伸びているあの紐や布、縄などを「鈴緒(すずのお)」と呼びます。
バリエーションは様々で、五色の布だったり荒縄だったり、紅白の縄をより合わせた紐だったりします。

なんのためにあるの?

なぜ参拝の時に鈴緒を鳴らすかというと、様々な説があります。

一説には、神様は高いところ(天)にいるので、鈴緒を揺らして鈴を鳴らすことで神様を呼び覚まし、鈴緒をつたって降臨を促す、というもの。

鈴は古来から音色に魔除けの効果があるとされ、神聖なものとされてきました。
それをガラガラと鳴らすことにより、神様に「今あなたを参拝しにきましたよ」とお知らせして、その場を清浄にし、厄除けなどの祈願をするのです。

巫女さんのご祈祷に使う鈴も同じ意味があり、神楽を舞う時などにも使用されます。

鳴らし方のマナーは?

鈴緒の鳴らし方のマナーですが、まず参拝のマナーから振り返って見ましょう。

まずは参道を通る時、中央ではなく端を歩いて鳥居をくぐります。
その後手水舎にて柄杓で手と口を清めます。右手で水を汲んで左手にかけて清め、左手に持ち替えて右手を清め、また右手に持ち替えて今度は左手の手のひらに水をためてその水で口をすすぎます。
そして参拝となるのですが、一番最初に鈴を鳴らします。
これは力強く鳴らすのが良いとされていて、その音の大きさで神様に「自分がお参りに来ましたよ」とおしらせします。
ただし、いつまでも鳴らしているのはNGです。
適度な長さで鳴らしましょう。
そしてお賽銭をいれ、作法にのっとり(二礼二拍手一礼など)お参りをします。
正式な参拝の方法は決められていますが、必ずしもそれにのっとった参拝でなければならないというものでもなく、神様にきちんと挨拶とご祈祷ができるのならば多少の決まりごとは間違っていても問題ありません。

他人や神社の迷惑にならなければあまりきにする必要もないでしょう。

どこで作ってるの?

鈴緒は神具や神棚を作成している会社で製作しています。
価格を比べて見てみると、布巻きと呼ばれる紅白や三色の布をより合わせた鈴緒は麻の縄を使ったものよりややお手頃なようです。

数え方は尺と寸で、2尺・1寸から製作できるようです。
伊勢の宮忠さんではオーダーメイドで作成できるようですし、京都神具製作所さんではセミオーダーができます。

楽天などで通販もおこなっていますので、気になる方は「鈴緒」もしくは「鈴の緒」で検索して見てください。

鈴についてのあれこれ

鈴はいつ頃から人間が使い出したのかははっきりしていないのですが、縄文時代にはすでに土鈴(どれい)という音を出すための器物が存在していました。

古墳時代から丸い鈴が出現し、土偶などにはめ込まれています。
古来から祈りを捧げる時に鳴らしていたといわれ、聖なるものとして扱われてきました。

鈴緒を揺らして神様に呼びかける、という手法が広まったのは戦後からです。

そのため出雲大社などでは現在に至るため鈴はついていません。
鈴緒を必ず揺らさなければならないわけではなく、その神社、神様にあったお参りが重要なのです。

ミニチュアの鈴緒のすごさ

神社仏閣用の麻製品を作っている、株式会社山川という京都の会社があります。
そこでは鈴緒のミニチュア版をお守りとして販売しています。
古式にのっとって三色の縄をより合わせ、先端に鈴をつけたこのミニチュアはとってもエキゾチックでチャーミング。
鈴の音には悪霊や魔を祓う効果があるとされているので、携帯するのにもぴったりです。

京都の職人技、ミニ鈴緒の巫女の緋袴をイメージした朱色版。

材料に使われているのは国産の麻。
それをらせん状により合わせます。

そうすることで硬く丈夫なものになるのだとか。
この作成方法は本物でも同じです。

国産の麻が手に入りにくくなっていることもあり、マニラ麻、ジュート麻などを使用したり、ナイロンなどの化繊を使用することもあるそうです。
鈴緒の「緒」という言葉には、「魂をつなぐもの・いのち・玉の緒」という意味があります。

「へその緒」なども同じ意味合いで「緒」が使われていますね。
つまり神様と自分を繋いでくれる拠りどころとして鈴緒は存在しており、それをお守りにするというのは「いつでも神様が一緒にいてくれる」という心強さにつながります。

お願いごとを叶えるのはあくまで自分。神様には近くで見守ってもらって、祈願達成の暁にはお礼をしましょう。