正月飾り、いつ下げる?その後は?

この記事は約9分で読むことができます。

正月飾り、いつ下げる?その後は?

正月も3日を過ぎれば、閉じていたお店も開き、仕事が始まり、日常がもどってきます。

それでも、外には門松、しめ飾り。家の中には鏡餅。

いつまでもぼんやり正月気分でいてはいけないから、片付ける …… というものでもないのです。

なんとなくカレンダーを見ながら下げていた正月飾り。
いつ下げ、そしてどうするのか、来年も使えるのか、ということについて解説していきます。

目次

正月飾りを下げる日はいつ?

正月飾りには、門松、鏡餅、しめ飾り、破魔矢があり、それぞれ意味があります。

その意味を踏まえると、下げる日も理解できます。

角松


新年には、年神様が家々を訪れ、今年1年の幸せや健康をもたらすと言われています。
そして、しばらく滞在します。

年神様が、訪れる際、その家の目印となるのが門松です。
また、門松は依り代でもあります。
依り代とは、神様が乗り移るもののことで、年神様は門松の姿を借りて、この世に現れるのです。

しめ飾り

blank
しめ飾りは、しめ縄に縁起物の飾りをつけたものを言います。
飾った場所が神聖であることを示します。
年神様をお迎えするために、しめ飾りを飾って、家を清めるという意味があります。

鏡餅

blank
鏡餅は、年神様へのお供え物であり、依り代でもあります。

破魔矢

blank
破魔矢は、悪い物を打ち破る矢という意味を持ちます。

年神様をお迎えするためのお正月飾りである、門松、鏡餅、しめ飾りは、年神様がいらっしゃる間は下げることができません。

年神様は松の内が明けるとともに帰られるので、松の内が過ぎたら下げます。

松の内は、一般的には7日までとされていますが、地域によって違い、15日のところもあります。

また、破魔矢の効力は1年ですので、新年には購入した神社に納め、新しい破魔矢を購入しましょう。

下げた後、どうする?

鏡餅は、鏡開きの日に餅を木槌や金槌で割って、ぜんざいなどに入れ、やわらかく煮て食べます。

食べることで、年神様によってもたらされた今年1年の幸せや健康などを体内に取り入れます。

門松、しめ飾り、破魔矢は、神社で行われる「どんど焼き」や「左義長」で炊き上げていただきましょう。

どんど焼きを行わない神社の場合は、お炊き上げを行っているか否かを確認し、行っている場合はお願いしましょう。
行っていない場合は、お炊き上げ可能な神社を探しましょう。

ただし、門松は、人の背丈以上あるような大型のものもあります。

大きなものの場合は、あらかじめ神社に確認しましょう。

もし、神社でのお炊き上げが難しい場合は、自分で処分することもできます。

門松に限らず、しめ飾りや破魔矢についても、神社へ納められない場合は、自分で処分が可能です。

自分で処分する、とはつまり、ゴミに出すということになります。

しかし、お正月飾りは神聖なものです。
先日まで年神様が宿っていたものです。ゴミとしてしまうなんて、とんでもないことのような気がしますよね。

そこで、自分でお清めをしましょう。

半紙を広げ、その上に正月飾りを置きます。

感謝の気持ちを込めて、上から塩を振ります。

その際、左、中、右の順に3回振ります。そして、半紙で飾りを包みます。
包みきれない場合は、半紙の下に新聞紙を敷き、新聞紙で半紙ごと飾りを包みます。

そして、指定のゴミ袋に入れますが、他のゴミとは別にしましょう。

ゴミに出す前にもう一度、上から塩を振り、清めます。

お正月飾りは、燃えるもの、燃えないものが混在しています。
地域のルールに従って、分別することも忘れないようにしてください。

次の年も使い回していいの?

お正月飾りは、新年に年神様をお迎えするためのものです。
ですから、毎年、新しいものを用意しなければなりません。

とはいえ、大きな門松などを飾っている場合は、お金もかかります。
プラスチックやビニル製などの作り物で、傷むことが少ない飾りの場合は、丁寧に保管して、来年も使用して構いません。

しかし本来、正月飾りは、松の内が明けたら下げ、神社で炊き上げてもらうものなのです。
お炊き上げには、年神様をお見送りするという意味があります。
それを理解した上で、来年も使うことができるものは、きれいに手入れをして使いましょう。

年神様をお迎えするという気持ちを持って用意し、感謝の気持ちを込めて片付ければ、後ろめたさを感じることはないと思います。

関東と関西で違いはあるの?

正月飾りは、松の内が明けたら下げますが、松の内の期間には地域差があります。

もともとは、1月15日までが松の内、20日が鏡開きとされていました。

しかし、1651年(慶安4年)4月20日に、江戸幕府 第三代将軍 徳川家光が亡くなり、月命日である20を避けた11日を鏡開きとしました。

それに伴い、松の内も7日までとされたのです。
これらを幕府の命として城下町にお触れを出し、やがて各地へと広まっていきました。

しかし、関西までは伝わらず、関西ではかつてと変わらず1月15日までが松の内とされています。

ですから正月飾りも、関東地方の多くは7日、関西地方や、その他一部の地域では15日を過ぎてから下げることになります。

鏡餅を割って食べる鏡開きは、松の内が7日の地域では11日、15日の地域では15日や20日に行われます。1月4日に行われる地域もあります。

また、1657年1月に江戸で起こった大火事により、松の内の短縮に至ったという説もあります。

これは、1月18日から20日まで江戸の町を焼き続けた火事で、明暦の大火と呼ばれています。

燃えやすい素材のお正月飾りを長く外に飾り続けることは、火事を招くとし、それまで15日としていた松の内を7日までにしました。

いずれにしても、江戸発信の情報が関西方面までは及ばなかったため、松の内の期間に地域差が生まれたのです。

門松貼ってもお正月

我が家でも、お正月の準備として、鏡餅を飾り、門松を立て、破魔矢としめ飾りを飾ります。

鏡餅は、鏡餅形のパックの中に個包装の切り餅が詰まったタイプのもの。

門松は、細長い紙に印刷されたものが1対、町内会より配られ、それを玄関の外の左右に1枚ずつ貼ります。

しめ飾りと破魔矢は、小さな小さなものですが本物を飾ります。

どれもこれも、簡易的で楽をしていることは否めませんが、鏡餅はカビの心配がありませんし、紙の門松や小さなしめ飾り、破魔矢は、炊き上げに困ることがなく、年神様をしっかりお送りすることができます。

子ども心にさえ、紙の門松は「いいのかな?」と思っていましたが、今となっては、毎年丁寧に飾り、下げ、炊き上げるということが大切なのだと考えています。

作り物の正月飾りを、丁寧に使い回すのも良いと思いますが、個人的には、簡易的なものを、毎年新しく揃え、新年を迎える …… 年神様をお迎えする方を選びます。

年神様が、新しい1年のための幸せや健康、豊作をもたらしてくださるのですから、昨年までの良くないものを全て落とし、まっさらな気持ちでありたいと思うのです。

お正月って、気持ちを切り替える、とても良い機会だと思いませんか?

困ったこと、嫌なことは昨日まで。「あけましておめでとうございます」とともに、全てを新しく始めましょう。