お茶碗1杯のお米は何粒?稲穂は何本必要?

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お茶碗1杯のお米は何粒?稲穂は何本必要?

皆さんは毎日お米を食べていますか? 私の家は農家なので、毎年4月の始めは種まき、5月中旬以降は田植え、そして10月は稲刈りと日々農作業に追われています。
でもその甲斐あってか、毎年新米を頬張ると幸せがひと噛みごとに溢れて来て、とても幸せ。

農耕民族である日本人には欠かせないお米ですが、「ご飯茶碗」一杯ぶんのお米に隠されている不思議や秘密をご存知ですか?

茶碗一杯には何粒のお米が使われているのか?
それには稲穂がどれだけ必要なのか?

そんな疑問と、日本がお米をどのくらい消費しているかまでバッチリ書いちゃいますよ!

目次

「ご飯一杯」はお米何粒?大人と子供の違いは?

同じ「ご飯一杯」と言っても、大人の茶碗と子供の茶碗では大きさが違いますよね。
ではふたつの茶碗にはどれだけのお米の粒が入っているのでしょうか?

一杯ぶんを茶碗八分目と仮定すると、一杯0.5合で、大人のお茶碗には150グラム、子供のお茶碗には110グラム入ります。
となると、150グラムは約2700粒が110グラムは1300粒が入っているということになります。

40グラムの差で400粒ですから、10グラムで100粒と考えると簡単かもしれません。
ちなみに炊いた後のお米の量で計算しています。

炊く前のご飯は大人の茶碗だと65グラム程度なので、水を加えることで倍以上になるんですね。

稲穂はどれだけ必要?

玄米ではなくすべて白米で換算すると、約40本分です。
これは稲穂一株からとれるお米の数を約80粒として計算しています。

玄米では白米より1割強増えますので、玄米の場合は約36株ぶんと言えそうです。

田んぼの面積はどれだけ必要?

標準的な田んぼから面積、収穫量を計算すると、1平方メートルとなります。
もちろん実りが悪い稲もあるので、これが完璧な回答とは言えませんが、バケツ苗など小学生でもできる生育方法で取れたものでも、茶碗一杯ぶんにはなるでしょう。

「ご飯一杯」は何カロリー?

ご飯一杯を150グラムだとすると、白米の場合は252キロカロリーとなります。
玄米では248キロカロリーなので、あまり変わりませんね。

そもそも玄米を食べると体に良い、とされているのは、玄米に含まれる食物繊維が同時に取れ、食べ応えがあるのでたくさん摂取しなくてもいいというところから来ています。

「玄米は糖質が低い」だとか、「玄米の方が白米よりカロリーが低い」というのは迷信。
玄米の利点はビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取できることなので、きちんとカロリーセーブできてバランス良いおかずが用意できるならば、白米でもまったく構わないのです。

お米は日本人の心?ご飯にまつわるあれこれ

お米といえば日本人、だと思っている方は多いと思います。
が、現在の日本ではお米の消費量が約50年前の半分となっているんです。

1962年の調査では一人当たり年間118kgだったのが、2015年には一人当たり年間54.6kgまで減少。
日本人の6.8%の人が、月に一度もお米を食べない食事をしている、なんて報告もあります。

ではお米はどこで消費されているのか?

世界を見渡してみると、お米の消費量ナンバーワンは「バングラデシュ」。
1日におにぎり10個ぶん(473グラム)以上ものお米を消費しているそうです。

2位はラオスでおにぎり約10個ぶん(445グラム)、3位はカンボジアでおにぎり約9個半ぶん(436グラム)の消費です。

それにくらべて日本はなんと世界50位。
1日の消費量はコンビニおにぎり2個半強程度に収まっています。

日本よりも東南アジアの国の方が圧倒的に消費量が多いんですね。

また、お米には種類がたくさんあり、アジアだけでも「ジャポニカ種」という日本でよく生産されているもの、「インディカ種」という世界的にみると一番生産されている縦長のもの、「ジャバニカ種」という大きい粒のものなどがあります。

タイ米騒動などがありましたが、あれは「インディカ種」のお米のことだったんです。

また、アジアだけでなくアフリカなどでも主食として食べられています。
お米は世界を橋渡ししているんですね。

「お米は日本人の心」などと言われていますが、これは実家が農家である私も強く感じていることです。

「お米一粒には八十八の神様が宿っているから、綺麗に食べなくてはいけないよ」などと言われたことはないでしょうか?
これは「米」という文字を分解すると「八十八」になるため、神道の国である日本で広く広まった信仰だとされています。

精進料理などをいただく時には、漬物を一切れ残しておいて、食べ終わったお茶碗を綺麗にする、という習慣が残っています。 お米の一粒一粒には、天候、農家の努力、農学者の研究の成果などが詰まっていて、綺麗にいただくことで感謝しようという気持ちです。
たかが「ご飯一杯」とバカにせず、毎日気持ちよくご飯をいただきたいものですね。