お屠蘇ってどんな味?そもそも「屠蘇」ってどういう意味?甘酒やお神酒とは違うの?

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お屠蘇ってどんな味?そもそも「屠蘇」ってどういう意味?甘酒やお神酒とは違うの?

お正月でのんびりし過ぎた時に「いつまでも、お屠蘇気分じゃいけないよ」とダメだしが入ります。

「お屠蘇気分」?

いや、お屠蘇、飲んだことないですけど?

そんなあなたのために、「お屠蘇ってどんな味」なのか、実際に飲んだことのある人に取材してみました。

だいたい「お屠蘇」って、なんだか字面も立派だし、すごい意味が隠れていそう…。

そんなお屠蘇の「屠蘇という漢字の意味」や「作り方」「由来」なども調べましたので、この記事を読めば、次のお正月には、みんなに薀蓄を語れちゃいますよ!

どんな味?

お屠蘇には、日本酒をベースに作られたもの、みりんを使ったものなどがあります。

日本酒で作られた方はかなりアルコールがきつく感じられるとのことです。

一晩屠蘇散を浸して味をなじませていますが、やや苦めの「薬草酒」というイメージ。

ベースが日本酒でなくみりんの場合は、甘い薬草酒なので、苦味も少々ありながら、日本酒ベースよりは飲みやすいようです。

この記事を書くにあたって周りのお屠蘇を飲んだことのある人に「どんな味だった?」と取材したのですが。

「後味が出汁っぽい…昆布みたいな味がした」という回答もあったので、各家庭によってだいぶ味は違うのですね。

飲みにくい場合は砂糖を足してもいいとされていて、決まったルールはないようです。

もしかしたら前述の方は出汁で割って飲みやすくしたものを飲んだのかもしれません。



どうやって作るの?

お屠蘇はみりんや日本酒、赤酒をベースにします。

コップいっぱいのお酒やみりんを用意し、そこに「屠蘇散」という、ハーブティーを作るときのようなパックを入れて、一晩経つと完成します。

みりんで作る場合は絶対に本みりんで作りましょう。

料理用の「みりん風調味料」は塩味が入っているので、お屠蘇には向いていません。

「屠蘇散」の中には大体5〜6種類の生薬が入っています。

多いものだと約10種類配合されているとか。

代表的なものの名前と効能を示しておきます。

  • 白朮(ビャクジュツ)キク科オケラまたはオオバナオケラの根:利尿作用、健胃作用、鎮静作用
  • 山椒(サンショウ)サンショウの実:健胃作用、抗菌作用
  • 桔梗(キキョウ)キキョウの根:鎮咳去痰作用、鎮静・鎮痛作用
  • 肉桂(ニッケイ)ニッケイの樹皮(シナモン):健胃作用、発汗・解熱作用、鎮静・鎮座作用
  • 防風(ボウフウ)セリ科ボウフウの根:発汗・解熱作用、抗炎症作用

これに陳皮(チンピ)などが加わることもあります。

これらが入った屠蘇散は、手軽な値段で購入できますので、是非ともお屠蘇を作ってみましょう。



甘酒やお神酒とは違うの?

甘酒は、米こうじと米、もしくは酒粕を使用した甘い飲み物です。

発酵食品として近年注目されていますね。

ほぼアルコールが含まれておらず、ソフトドリンクとして販売されています。

お神酒は、神様に備えるお酒のことを言います。

神棚にお供えしたりするものですね。

こちらは「白酒(しろき)」「黒酒(くろき)」「清酒(すみさけ)」「濁酒(にごりざけ)」などの種類があり、どれもれっきとしたアルコールです。

醸造方法に違いはあるものの、どれも現在では手に入る清酒やどぶろくなどを使用しています。

お屠蘇と違って、風味をわざと足すことはしません。

「屠蘇」ってどういう意味?

「お屠蘇」の「屠」は「ほふる(殺す)」という意味があります。

また、「蘇」には「死や災厄を招く鬼」という意味があります。

つまり、鬼を倒すために飲むもの、ということです。

「ソ」はもともと「シ」と同音であると考えられ、そこから転じてこの文字になったと思われます。

歴史上「アシ(悪し)」が「ヨシ(良し)」に変わったりした地名や品名は多いため、ここでの変換もそうおかしなことではありません。

「屠」も「蘇」もあまりいい字ではありませんが、だからこそマイナスイメージの言葉をプラスイメージに転換させたのですね。

別の説では、「屠」が邪気を払う、「蘇」が魂を目覚め蘇らせる」という意味を含む、などの説があります。

三国志に登場する魏の名医「華佗」が屠蘇散を発明したとされ、もともと薬効を期待した薬草酒という分類だったようです。

医療用のお酒だったのですね。

それから転じて、お正月の暴食で弱った胃や体を元気にする、清めるという意味でお屠蘇を飲むのです。

邪気を払ってすっきりした一年を迎えようということですね。



お屠蘇の成り立ち・その歴史

お屠蘇をお正月に飲む風習は、中国の唐の時代が一番古いとされています。

それから日本には平安時代から資料にお屠蘇が登場します。

紀貫之の「土佐日記」などでも、お屠蘇をのむ描写があります。

宮中では一献目に屠蘇、二献目に白散、三献目に度嶂散を一献ずつ飲むのが決まりだったそうです。

貴族は屠蘇か白散のいずれかを使用していました。

その後室町幕府は白散を、江戸幕府は屠蘇を使用していました。

このしきたりが広く庶民に伝わり、江戸時代の医者は薬代の返礼として屠蘇散を配るようになりました。

その名残として、現在でも薬局で年末の景品として屠蘇散を配る習慣が残っています。

最後に

現在は薬局などでティーバッグタイプの屠蘇散が販売されていたり、みりんにセットで販売されていたりします。

広くお屠蘇が庶民の生活に根付いたのは江戸時代ですが、それから今まで伝わっている風習というのがすごいですよね!

今度のお正月には是非お屠蘇を飲んで、一年の健康を祈願したいと思います。