おはなし会を楽しくするには?導入と進め方、そして失敗談。

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おはなし会を楽しくするには?導入と進め方、そして失敗談。

書店や図書館では、慣れた店員さんや司書の方がおはなし会を開催します。
最近では、小学校でボランティアの方が、朝の読み聞かせを行うこともあるようです。
父兄の方が持ち回りでやっているところもありますね。

初めておはなし会や読み聞かせを行う時は、緊張してしまうもの。
おはなし会をやってみたくてボランティアを始めたけれど、何を読めばいいかわからないということもあるでしょう。

少しでも、楽な気持ちで取り組むことができるよう、おすすめの絵本や、体験談を書いていこうと思います。



導入の仕方

最初は挨拶から始めます。せっかく挨拶をするのなら、挨拶を使って、おはなし会へ誘っていきます。
声を出すことで、子どもたちも読む側も、お互いの緊張を取ります。
人数が少なければ、名前を聞いたり、年齢を聞いたりし、読む人と見る人の心の距離感を近くします。
普通に会話する感じです。

人数が多い時は、全員に名前を聞くわけにはいかないので、場をあたためるように、たとえば、大きな声のあいさつ、すごく大きな声のあいさつ、小さな声のあいさつ、すごく小さな声のあいさつ、など遊び感覚を盛り込みます。

逆に、導入なしで、いきなり、一緒に声を出すような絵本を用いるのも方法の一つです。

本の持ち方


お話を覚えるのは大変なので、もちろん見ながら読めばいいと思います。
記憶して話す、「素話」という方法もありますが、間違えるかもという変な緊張がプラスされてしまい、気持ちに余裕がなくなってしまいます。

個人的には、家で家族と読むように、みんなに見せ、自分も時々見ながら読む方法でよいと思います。
見ながら読むからといって、自分の頭で絵本がかくれたり、自分のほうへ絵本が傾いたりしてはいけませんよ。

台や机を使ったり、座っていれば膝にのせたりします。
立っているなら、私の場合は、開いた絵本の中心の上部を右手で持ち、左手で下から支え、体の右側へ差し出す感じで持ち、斜め右下を見下ろすようにお話を追います。めくるのは、下で支えている左手。手で内容を隠さないように注意します。
時には、左ページで問いかけをし、右ページに答えやオチがあるパターンの絵本もあります。
そんな時は、ネタバレを防ぐために、うまく隠しながら持つ必要があり、工夫しなければいけません。
たとえば、おなかの前で絵本を持って左の腕でページを隠すとか。

そういう場合も含めて、下読みは絶対に必要です。
覚える必要はありませんが、練習はしておいた方がいいと思います。

声のトーンや抑揚


抑揚については、いろいろなことを言う方がいらっしゃいます。
想像力をかき立てるために、あえて淡々と読む、とか。感情を込めたほうがいい、とか。

私は、抑揚をつけて、リズミカルに読むのが好きです。
こちらのテンションも上がるし、そのほうが、おもしろい本は、よりおもしろくなるように思います。

わんわん泣く場面で、わんわん泣く読み方をすると、子どもたちは、なぜか笑います。
顔がおもしろいのかも。

表情も豊かにして読むと、あかちゃんもこちらを見て、反応してくれます。

子どもたちと一緒にかけ声をかけたりする場合も、抑揚やリズムがあった方が、楽しいと思います。決まりはないので、好きな方法でいいのです。

飽きさせない工夫

子どもたちを飽きさせないためには、本の選び方が大切です。
小さな子に、長いお話を読んでも、すぐに飽きてしまうでしょう。
3歳くらいまでの小さい子なら、短い絵本で、繰り返しを楽しむ絵本や、リズムがおもしろい絵本、ちょっと体を動かしたりする絵本だと、楽しんでもらえるのではないでしょうか。

3歳くらいから、参加型と言われるような絵本も楽しめます。
参加型とは、たとえば、絵本に向かって呪文をかけたり、絵本に書いてあるボタンを押したりし、それらによる展開を楽しむ絵本です。
また、簡単な「さがし絵」も、子どもたちは大好きです。

幼稚園くらいになってくると、絵本やお話を聞くことに慣れてくるので、少し長めのお話を選んでも良いと思います。
何冊も読む時は、参加型、ちょっと長めのお話、探し絵、笑えるお話、というように、動きのあるものとじっくり聞くものを組み合わせると、飽きにくいと思います。

年齢がバラバラの場合は、「まずは、小さい子向けね。」というように、あとで大きい子向けのおもしろいのも読むよ、ということをちゃんとお知らせしてあげると、大きな子も、単純な絵本を一緒に聞いてくれると思います。

子どもの心をつかむ、おすすめの本

本の選び方が、おはなし会を成功に導くポイントのひとつになります。
子どもたちが好きで、なおかつ自分が読みやすい本を選ぶのが良いと思いますが、なにを選べば良いかわからない場合のおすすめを何冊か紹介します。

小さな子に

「ごぶごぶごぼごぼ」(福音館書店)
擬音と鮮やかな色使いが魅力的。
穴あき絵本でもあるので、穴から指を出したりするとおもしろい。
擬音の読み方は自由です。
抑揚や声の大小などで変化をつけて、急がずゆっくり読みたい絵本です。

「おでかけばいばい」「めんめんばあ」「くらいくらい」(福音館書店)
言葉がリズミカルで、絵もおもしろく、一緒に声を出してもらってもいいと思います。

「くらいくらい」は、暗い中で、動物のシルエットがあり、電気をつけると何の動物かがわかるという、繰り返しの絵本です。毎回違う場所にある電気のスイッチを探して押してもらう読み方もできます。

「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」(ブロンズ新社)
このシリーズも、好きな子が多いです。リズムにのって、体を動かしながら読むと楽しい絵本。

「ぴょーん」(ポプラ社)
いろいろな生き物が、ぴょーん、と飛ぶ、その繰り返しの絵本。あかちゃんなら、大人の方に持ち上げてもらい、自分で飛び跳ねられる子は、一緒にぴょーんと飛びます。

「きんぎょがにげた」(福音館書店)
2歳くらいから楽しめる、さがし絵の絵本。
各ページで、かくれたきんぎょを探します。
答えがわかっていても、何回でも「これ読んで」と言われる絵本です。

3歳くらいから

「へんしんトンネル」(金の星社)
ある言葉を、繰り返し言い続けながらトンネルを通過すると、違うものに変わってしまう…という絵本。シリーズがたくさん出ている、人気の絵本です。

みんなで声を合わせて言葉を繰り返すと、雰囲気が盛り上がっていいと思います。

言葉の繰り返し方と、ページをめくるタイミングが大切。
たとえば、私は、カッパ、カッパ、カッパ……パカッ、パカッ、パカッと、最初の言葉で少し長めに時間をとり、言葉を変化させてから、ページをめくります。言葉を繰り返すときは、絵本ではなく、みんなの顔を見ています。

「パンダくんのおにぎり」(PHP研究所)
さがし絵の絵本です。
お母さんと山登りにいったパンダくん。山の上からおにぎりを転がしてしまいます。各ページにはおにぎりと同じ色合いの絵柄が広がります。その中に隠れているおにぎりを探します。

さがし絵の絵本としては、「きんぎょがにげた」に比べると、難易度が少し高め。4歳くらいになると細かい部分も自分で探せるかもしれません。なかなか見つけられないと飽きてしまうので、難しいときは「だいたいこのあたり」と、ヒントを出すこともあります。
また、さがし絵とともに、ストーリーも楽しめます。
少人数のおはなし会に。

「まるまるまるのほん」(ポプラ社)
絵本に描かれた丸を、押したりこすったりし、ページをめくったときに、その変化を楽しむ絵本。本を揺すったり傾けたりもします。しっかり下読みをした上で、余裕を持って楽しみたい絵本です。

「モジャキのくすり」(ほるぷ出版)
お話が少し長めの絵本です。4歳くらいから。
モジャキが、自分のハナクソを、頭の良くなる薬だとついつい嘘をついたことから、大変なことになっていく…というお話。
お話そのものがおもしろいので、長いお話も楽しめるくらいの子たちには、気負わず、リラックスして読むことができます。

「バナナじけん」(BL出版)
ネタバレです。
車に積まれたバナナが、1本ずつ落ちて、それを拾って食べるサル、その皮ですべるウサギ、その皮を拾うワニ、…とあらすじを言えばそれだけになってしまいます。
ところがこれが、とてもおもしろい絵本。
ドタバタ感をうまく読めたら、ウケます。

うまくいかないときもある

小さな子は、そんなに長い時間集中できません。
短いもの、メリハリ、リズムや抑揚、いろいろ工夫しても、たぶん飽きます。
途中で、どこかに行ってしまう子もいます。
それは、それでいいと思います。
小さい子の飽きは、連鎖しますから、みんないなくなったら、潔くやめてしまうのも、ありです。

少し大きくなると、今度は、飽きてきても「聞かなきゃ」と気を遣います。
それも、申し訳ないけれど、時間が決まっているなら、ある程度開き直って聞いてもらいましょう。
時間が決まっていない場合、飽きてきた感じがあれば、私は、次の絵本を読む前に、子どもたちに聞きます。
「もう少し聞く?もうやめとく?」って。
もうちょっと読めそうかな、というところでやめておくのも、いいかもしれません。

うまくいかないことも、いろいろあります。

決めた冊数を読み切ろうと、明らかに飽きている子たちを結果的に引き留めておくことになったり、飽きてきた空気を感じ、焦って早口になったことも。

また、お話はおもしろいけれど、絵がかわいくない絵本を読んだときのこと。
「ちょっと絵がこわいかも」と読む前に言ってしまい、怖くないお話なのに、怖がった子が泣いてしまいました。変な先入観を与えてしまったのです。この時は、特に凹みました。

失敗する度に、少なからず凹みますが、次がうまくいけば、うれしい気持ちになります。
うまくいかなかったからといって、次のおはなし会を怖がったり、やめてしまったりしないで、リベンジを楽しみましょう。

とはいえ、何度やっても、緊張はするし、いやな汗もかきます。
そんな時は、おはなし会によさそうな本を見つけると、次のおはなし会が楽しみになります。

子どもたちと一緒に、自分も楽しむことができるような、そんなおはなし会ができたらいいですね。