鏡餅に添えられた串柿 その深い意味とは?飾り方と食べ方も知りたい!

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鏡餅に添えられた串柿 その深い意味とは?飾り方と食べ方も知りたい!

鏡餅と共に飾られる串柿。

実は、多くの意味が込められています。

ここでは、串柿に込められた意味や、串への刺し方、その数について順に解説します。

そして、串柿がもつ意味の元となった神話についても触れていきます。

目次

串柿の意味するものは?

串柿を添えて飾られる鏡餅は、日本神話に出てくる、三種の神器を表しています。

丸い餅は「鏡」、上にのっている橙は「玉」、串柿は「剣」を意味します。

また、柿を「嘉来」と書き、「幸せがやって来る」という意味や、「幸せを“かき”集める」という意味を持つこと、柿は長寿の木であることから、縁起の良いものとして飾られます。

干し柿に、大きな種が一つ入っていることから、子宝に恵まれるという意味もあります。

串に刺さった柿の数 その意味は?

串柿は、10個を以下のように分けて刺します。
○○ ○○○○○○ ○○
外側に2個ずつ、真ん中に6個。これは、「外はニコニコ、仲(中)むつまじく、白髪になるまで(干し柿に吹いた白い粉)」を意味します。

5個の場合もあります。
○ ○○○ ○
外側に1つずつ、真ん中に3つ。「一人一人、皆(3)幸せに」という意味を持ちます。

9個の地域もあり、その意味は「九子嘉来(くしがき)」の字を当て、子だくさんを表します。

飾り方は?地域によって違いはある?


まずは、鏡餅の飾り方から。

三宝(三方)という、正面と左右の3カ所に穴の空いた台の上に、四方紅と呼ばれる赤い縁取りの正方形の白い紙を敷き、その上に裏白というシダ植物の葉を2枚、そして大きく丸い餅譲り葉するめ昆布を挟んで、小さく丸い餅を重ね御幣という紅白の紙をのせ、ここで串柿、そして最後に橙をのせ、橙の後ろに扇子前に海老を飾ります。

するめ、譲り葉、昆布は、お餅の上に置いたり、お餅の下に敷いたりする地域もあり、串柿、するめ、譲り葉、昆布、海老、扇は飾らない地域もあります。

地域によっては、餅が3段の場合や、餅が紅白になっている場合もあります。

鏡開き後の串柿 食べてもいい?美味しい食べ方は?

干し柿は保存食ですので、鏡開きを終えた後、食べることができます。

そのまま食べても美味しいです。

乾燥で固くなっている場合は、料理に使いましょう。
一晩水に浸しておくと柔らかくなります。

種を取り、細かく刻んで、なますに加えたり、おひたしに混ぜたりすると自然な甘みが良いアクセントになります。

ニンジンを千切りにしたサラダに混ぜてフレンチドレッシングで和えても。

刻んだりすりつぶしたりしたものを、クッキーやケーキなどお菓子にしても美味しいです。

ヨーグルトやクリームチーズにも合います。

杏やプルーンなどのドライフルーツをイメージすると、扱い方がわかりやすいと思います。

干し柿は栄養価が高く、昔は、戦の保存食とされていました。

また、酒酔いにも良いとして食べられていました。今でも、柿は二日酔いや悪酔いに良いと言います。

縁起物でもありますし、美味しくいただきましょう。

ただし、カビには注意。
少しでもカビが生えたら、あきらめましょう。
白い粉は、カビではありません。

日本神話と鏡餅と私

お正月に、鏡餅をはじめ、門松やしめ縄などを飾るのは、年神様をお迎えするためです。

年神様は、私たちに1年の幸せと魂を与えるためにいらっしゃり、松の内と呼ばれるお正月期間中、それぞれの飾り物に宿ると考えられています。

その形を鏡餅になぞらえた三種の神器とは、日本神話に出て来る物です。

日本神話には、天地ができ、神が生まれ、国、物事などが生まれてくる様子が描かれています。

その中で、皇室の大元の神様である天照大神(あまてらすおおみかみ)が、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)という神様に、日本を治めるためにその地へ降りるよう命じ、その時に授けた「鏡」「玉」「剣」が三種の神器です。これらは、日本の歴代の天皇が継承していると言われています。

とはいえ、その姿を見た人はいないとか。

日本神話が描かれた古事記では、神がやがて天皇家へと続いていくとされています。

三種の神器にも見られるように、神と人のあいまいな部分が、今なお神事として伝承されているのです。

一方で、古事記には、性的な描写が多く出てきます。

それは人間的であり、時代を超えて通じるものでもあります。

今回の串柿、鏡餅についても、性的な意味合いがあるとする研究もあります。

神聖視してきた分、少しショッキングである反面、興味深くもあります。

私たちは、お正月という行事によって、知らず知らずのうちに、古来からの習わしを受け継いできています。それはとても不思議な感覚で、また、誇らしくもあります。

お供え物一つ一つの意味を心に留めながら、古い時代に思いを馳せつつ、お正月を過ごしたいと思います。