避難グッズや非常食の保管場所について。何日分、どこに保管すればいいの?
大きな災害から何年経っても、その日には、身が引き締まる思いがしませんか?
そんなときこそ、自身の避難対策や、避難グッズを見直しましょう。
普段は使わない、避難グッズ。保管場所やその内容などについて、紹介します。
目次
避難グッズはリュックに?スーツケースに?
避難グッズは何に入れておけばよいでしょうか?
それは、目的によって違います。
いざというときに持って逃げるには、リュックサックが良いでしょう。
リュックは両手が空き、身体にかかる重さのバランスもよく、足場が悪い場合でも、走らなければいけない時も比較的安全です。どこかに掴まったり、子どもを抱いたり、お年寄りの手を引いたりもできます。
急いで避難する必要があるときには、リュックを背負う方が安心です。
一方、スーツケースも意外と侮れません。
スーツケースの利点は、その丈夫さと容量です。何かの下敷きになった場合でも、中の避難グッズは守ってくれる可能性があります。
自宅や避難所で避難生活をすることになれば、スーツケースもアリです。
環境や、状況、目的によって使い分けましょう。
避難グッズは普段どこに置いておくべき?
避難グッズは、取り出しやすくなければいけません。
急いで持って避難する物については、外に出る動線上にあるとよいでしょう。
たとえば、玄関。
いったん避難し、安全が確認できてから取りに戻る際も、玄関ならすぐに持ち出せます。
家の中で一番いる時間が長い場所に置くのもおすすめ。
リビング、キッチンに置く人も多いようです。
また、忘れてはいけないのが、寝室。
実感はないですが、実は、いる時間が長い場所の一つ。
できれば、2~3箇所に置いておくと安心です。
丈夫な棚や倉庫など、仮に建物が倒壊しても、グッズが守られている場所に置きたいですね。
そして、浸水からも守ることができるようにしておきましょう。
緊急に持ち出すのではない、避難生活に必要なグッズは、緊急の持ち出し用とは別に、倒壊や浸水から守られた場所に置きます。
ガレージや庭の倉庫などがあれば、家の中に入らなくても取り出せます。
いくらかは、車の中に置いておくのも一つの手段です。
車での避難生活になるかもしれません。車の中は、夏場の温度に影響を受けないものを置くようにしましょう。
何を備えるべき?
使う状況によって、備えておくものは違います。
いつも持ち歩くもの、緊急時に持ち出すもの、避難生活に必要なもの、の3つに分けて考えることが必要です。
いつも持ち歩くもの
- 大判のハンカチ
- 安全ピン
- 非常食(チョコレート、シリアルバーなど)
- ポリ袋(小、中サイズを2~3)
- 充電器(電池タイプ、蓄電池タイプ)
- ホイッスル
- 地図(歩いて帰る時に)
- 水(500ml)
- 常備薬、持病薬
- 救急セット
- マスク
- ティッシュペーパー(水に溶けるもの)
- ウェットティッシュ携帯用
- 使い捨てカイロ
- 乾電池
- 携帯トイレ(1パック3枚)
- 携帯ラジオ
- 小型のライトなど
- 身分証明書
- 筆記用具
- 現金(小銭含む)
- 生理用品
- 雨具
緊急時に持ち出すもの(10~15kg以内)
- 現金(お札、小銭)
- 通帳・印鑑・カード
- 身分証明書のコピー
- 個人情報のメモ
- 家族の写真や名前、血液型のメモ
- 親戚や友人の連絡先
- 除菌シート、ウェットティッシュ(ボトルタイプ)
- ボックスティッシュ
- トイレットペーパー
- 救急セット(消毒、常備薬、持病薬、絆創膏、湿布、毛抜きなど)
- 簡易トイレ(60~70枚 多めに)
- マスク
- ロープ(10m)
- ヘッドライト
- 携帯ラジオ
- 懐中電灯
- 乾電池
- 皮手袋・軍手
- スリッパ
- タオル
- 安全ピン
- 水(500mlペットボトルで3本×人数分)
- 非常食(すぐ食べられる物)
- 動きやすく寝やすい着替え(下着・靴下なども)
- 食品用ラップ
- アルミホイル
- 筆記用具(油性ペン、ボールペンなど)
- 布ガムテープ
- 歯ブラシセット
- アルミブランケット・サバイバルブランケット
- ホイッスル
- メガネ(予備も)
- ジッパー付き保存袋
- 加熱材
- 紙製食器・割り箸など
- 使い捨てカイロ
- マッチ、ライター
- レインコート
- エコバッグ
- はさみ、カッターナイフや缶切りなど
- アイマスク、耳栓
- 生理用品
- 黒いゴミ袋(大)
- 化粧品、洗顔用具、鏡
- ヘアゴム
- 圧縮袋
- レジャーシート
- ヘルメット
- ヘッドライト
- 歩きやすい運動靴(枕元に)
避難生活に必要なもの(備蓄)
- 食料・飲料水 人数分×7日分
- 調味料
- カセットコンロとボンベ(15本~20本)
- 鍋
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ(スピーカータイプ)
- LEDランタン
- 乾電池・バッテリー
- 現金
- 救急セット(消毒、常備薬、持病薬、絆創膏、湿布、毛抜きなど)
- マスク
- 簡易トイレ(60~70枚 多めに)
- タオル
- ポリ袋(各サイズ)
- 食品用ラップ
- アルミホイル
- レジャーシート
- 毛布
- ライター、マッチ
- 布ガムテープ
- 水のいらないシャンプー
- 歯磨きセット・洗口液
- 石けん
- 工具
- 地図
- 新聞紙・段ボール
- ろうそく
- 給水袋・タンク
- キッチンペーパー
- トイレットペーパー
- ウェットティッシュ
- ボックスティッシュ
- ホワイトボード
- さらしの布(汎用性)
- 蚊取り線香
これが全てではありません。
女性、赤ちゃん、お年寄り、ペットなど各家庭で家族構成や環境が違います。
これらのリストを参考にし、自分や家族にとって絶対必要なものを考え、アレンジしてください。
非常食は、何日分保管すればいいの?
非常食の保管は、7日分必要です。
2013年内閣府による「南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)」の中では、家庭備蓄として、食料や飲料水の他、電池充電器や乾電池、簡易トイレなどの1週間分の確保が必要とされています。
飲料水は1人につき1日3リットル必要と言われ、2リットルのペットボトルで1本半、7日分なら10本半。余裕を持って、6本入りの段ボールを2箱は常備したいものです。
しかし、これは1人分。4人家族なら、4倍。飲料水だけで、なかなかの保管場所が必要ですね。続いて、非常食の保管場所について見ていきましょう。
保管はリュックに?倉庫や戸棚に?
前項で述べたように、飲料水7日間分の確保だけでも、大変な量です。
それに加えて、非常食も同じように人数分×7日分が必要。大量の備蓄を1カ所にまとめておく場所もそうそうあるものではありません。
また、すべてを1カ所にまとめておくと、家屋の倒壊や浸水で全部だめになるリスクもあります。
3日分を、緊急で持ち出すリュックに入れ、残りを家で保管するのも一つの方法。家でも物置や倉庫、戸棚など、何カ所かに分けて置きましょう。
そして、「非常食」ということではなく、食料が常に多めにあるという考え方で、日持ちする食品を日常的に使いながら備蓄する「ローリングストック」という保管方法がおすすめです。使ったら補充し、常に一定量を維持します。そうすることで、いざと言う時も、普段から食べ慣れたものを食べることできます。また、食品の賞味期限を切らす心配もありません。
最近では、水やお湯を入れるだけで食べられるアルファ米や、そのまま食べられるレトルト食品、缶詰、お菓子、カップラーメンなど、日持ちがして美味しい食品がたくさん販売されています。試すつもりで、いろいろ購入してみましょう。
栄養バランスも考えてそろえるといいですね。
防災士厳選の防災グッズ43点セット【ディフェンドフューチャー】
入れ替えのタイミングは?
避難グッズは、保管しているだけで劣化するものもあります。
水や食品、薬、化粧品、懐中電灯、ラジオなど、いざというときに使えないということがないよう、定期的な見直しが必要です。
内容をチェックし、必要に応じて入れ替えを行いましょう。
とはいえ、日常的に使うものではないだけに、見直しも忘れがち。「避難グッズ見直しの日」を決め、いつでも使える状態にしておけば安心です。
具体的には、大きな災害があった日や防災の日(9月1日)などが最適。テレビなどで防災の特集が組まれ、気持ちが引き締まります。半年に一度のペースがおすすめ。
荷物の重さは、安心の重さ
災害が起こった日や防災の日が近づくと、テレビやインターネットで防災が話題に上ります。
防災に備えなくてはいけないと思いつつ、先延ばしになっていることも多いのではないでしょうか。
しかし、災害を事前に予測することはできません。今、この瞬間に用意しても、無駄ではないのです。
私は「何かあったときのために」と荷物が増えるタイプ。常に持ち歩く避難グッズの必要性を知った時、間違ってはいなかったのだと思いました。でも、持ち歩いていたものは、だいぶ間違っていたので、これを機に持ち物を整理して、持ち歩き用避難グッズをまとめることにします。 多少荷物が増えても、安心を持ち歩いていると考えれば、苦ではありませんし、もともと重かった荷物の内容が改善されたと思えば、気持ちは軽くなるというもの。
とりあえず、今日、避難グッズのチェックをしてみませんか。