茶碗とお椀の違いは何?それぞれの正しい置き場所は?

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茶碗とお椀の違いは何?それぞれの正しい置き場所は?

この記事では、茶碗とお椀の違いについてお話します。
それぞれの正しい置き場所についてもお話しますので、茶碗とお椀の違いが分からず、配膳でいつも迷っているという方は良かったら参考にしてみてくださいね!

目次

茶碗とお椀は何が違うの?

茶碗とお椀は材料が違います。
茶碗は今でこそメラミンやプラスチック、漆器といった素材で出来ているものもありますが、もともと陶磁器製でした。
陶磁器は土や石を使って作られています。

一方でお椀は「椀」の字からも分かりますが、木から作られています。
日本では、もともと木製の食器を使ってきました。

ごはんを入れるのになぜ茶碗というの?

ごはんを入れるのになぜ茶碗というのでしょうか。

もともと茶碗は平安時代に中国からやってきた陶磁器で、お茶(抹茶)を飲むための茶器として使われてきました。
ですから「茶碗」です。

そして日本では江戸時代末期まで1日2食でしたので、お椀にいっぱいご飯を食べていました。
ですが、1日3食へと変化したため、一食分のご飯を入れるにはお椀は大きすぎるということで、ちょうどよいサイズとして茶碗に入れたと言われています。

この時すでに「茶碗」として定着していましたので、ごはん茶碗・抹茶茶碗・湯飲み茶碗といった具合に分けて呼ばれています。

碗と椀の使い分けは?

碗と椀は素材に違いがあるというお話しましたが、碗は陶磁器製です。
ご飯をよそう茶碗の他にも、茶碗蒸しの器である蒸し碗、煮物を入れる煮物碗などがあります。

一方でお椀は汁物に適しています。
木製の椀は、熱々のお汁を入れても持ちやすく、木の口当たりが良いので飲みやすいためです。
また熱伝導率が低いため、冷めにくいというのも利点です。

現代では、陶磁器や椀だけではなく色んな素材から出来ている食器がたくさんあります。
ですから、一概にどれが正しい使い方というのはありません。

持ちやすさや冷めにくさ、子供も扱いやすいといった点で、プラスチックやメラミン製の食器は多くみられるようになりましたし、日本の伝統でもある漆器の食器も近年では電子レンジや食洗器にも対応しているものまであります。

ご飯茶碗とお椀、正しい置き場所は?

ご飯茶碗とお椀は、それぞれ正しい置き場所があります。

ご飯茶碗は左手前、お椀は右手前

これから食事を摂ろうとする人から見て、ご飯茶碗は左手前で、お椀が右手前になるように置くのが正しい置き方です。

これは全国共通のマナーですが、これにはいくつか理由があります。

お米を口にする頻度が高いため、取りやすい左手手前に置いているという説もありますが、お米が神聖なものという理由が一番有力な説ではないでしょうか。

古来中国より伝わった考え方の中に「左上右下」というのがありますが、これは左側の方が右側よりも上位という考えです。古来より米は年貢として納められたり、お金の代わりとして扱われたりする機会が多く、非常に神聖なものとして扱われてきました。
その点から、食事を配膳する際、左手前にご飯茶碗がきて、右手前に汁の入ったお椀が来るようになったと考えられます。

関西では少し違う地域もある

関西では、配膳の場所が少し異なる地域もあるようです。

左手前にご飯茶碗は変わりがありませんが、お汁を左奥にもってきて、主菜を右手前にもってくる地域があります。
これは、左にご飯茶碗とお椀を固めることで、手に取りやすく食べやすくなるという利点があります。

忙しく働く商人たちが生き生きと生活する関西だからこその配置とも考えられますが、左手前にご飯茶碗というのは変わりませんので、やはりご飯はとても特別な存在と言えますね。

金属で作られた椀もある

金属で作られた椀は、「鋺(かなまり・まり)」と言います。
韓国で一般的な食器は、鋺が多いですが、韓国料理店などで冷麺の器やかき氷の器としても目にすることがありますよね。

奈良時代の古墳からも、鋺が見つかっているくらい、とても歴史がある食器と言えますが、食器以外にも仏具としても使用されていたようです。

世界には色んな椀がありますので、色んなシーンに合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか。