鏡のでてくる絵本や物語 書店員おすすめの14選!

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鏡のでてくる絵本や物語 書店員おすすめの14選!

物語の中の鏡は、怖くもあり、不思議であり、何かが起こりそうな気配が漂います。

本物の鏡として取り入れられているものから、重要な役割としての鏡、アイテムとしての鏡など、その扱われ方は様々。

そのような、鏡が出てくる絵本や物語をご紹介します。

赤ちゃん向け

①「へんなかお」

作:大森裕子 白泉社 ¥1000+税

いろいろな動物が、かわいいかおから突然、へんなかお!しかも、超絶へんなかお!最後のページに鏡がついていています。

みんなのへんなかおは、どんなかお?

幼児向け

②「かがみのえほん ふしぎなにじ」

作:わたなべちなつ 福音館書店 ¥1500+税

かがみのえほんシリーズ第一弾。ページを直角に開くのがポイント。
鏡になっているページに様々な形のにじが写って、ふしぎな世界がひろがるしかけ絵本です。
にじが絡み合ったり、ページを突き抜けたり。抽象的な雰囲気で、“写る”面白さもあるので、赤ちゃんから楽しめます。

③「かがみのえほん きょうのおやつは」

作:わたなべちなつ 福音館書店 ¥1500+税

かがみのえほんシリーズ第二弾。
卵を割り、フライパンで焼く。おやつを作る様子が鏡に写って、立体的に見えるのがふしぎ。
最後にはおいしそうなホットケーキが2人分焼きあがります。

④「かがみのえほん かがみのサーカス」

作:わたなべちなつ 福音館書店 ¥1500+税

かがみのえほんシリーズ第三弾。
男の子がサーカスにやってきました。
鏡の中で繰り広げられるサーカスは、とても賑やか。ふたごのクラウンに誘われ、男の子もかがみのサーカスへ。
鏡が作り出す奥行きに、つい手をのばしたくなります。

小学生低学年向け

⑤「雪の女王」

文:アンシア・ベル 絵:ヤナ・セドワ 原作:アンデルセン
訳:成沢栄里子 ビーエル出版 ¥2000+税

ディズニー映画「アナと雪の女王」の元になったアンデルセン童話。
元になったとはいえ、ストーリーは全く違うので、別物として楽しんでください。

少年カイと少女ゲルダという幼なじみの二人はとても仲良し。
ある日、飛び散った悪魔の鏡の破片が、カイの目と心に刺さります。
あんなに優しかったカイは、ひどい人間になり、やがて雪の女王に連れ去られてしまいます。
ゲルダはたった一人でカイを探しにでかけるのです。

⑥「女王の七つの鏡」

作:斉藤 洋 絵:本村亜美 講談社 ¥1300+税

探し絵が楽しめる、絵本のような、読み物のような本。
ヒントはなぞなぞのようにフワフワとつかみどころがなく、お話も幻想的で、まるで夢の中のよう。
見開きいっぱいに描かれた細かく色鮮やかな絵に、吸い込まれそうです。
不思議な、本。

⑦「なんでも見える鏡 ジプシーの昔話」

再話:フィツォフスキ 訳:内田莉莎子 画:スズキコージ 
福音館書店 ¥1097+税

主人にひどい扱いを受け、旅に出たジプシーの物語。ワクワクドキドキし、幸せを感じ、最後は仕返しも。
短いけれど満足感が得られる絵本です。

助けた魚、鷲、アリに後で助けられ、お姫様とのロマンスもある、昔話の典型的な形。
スズキコージさんの個性的な絵が外国の昔話にぴったり。

小学生高学年向け

⑧「シノダ! 鏡の中の秘密の池」シノダ!シリーズ第3巻。

信田家には秘密があります。家族構成は、パパ、ママ、3人の子どもたちとごく普通。
でも実は、ママがキツネで、キツネの血を引く子どもたちには不思議な能力が。

3巻では、父方のおばあちゃんから、古い鏡台が届きます。
その日から、不思議なことが起こるようになって…。

2018年4月の段階で10巻まで出ています。事件は1冊ずつ完結しているので、必ずしも1巻から読まなければならないということはなく、「鏡の中の秘密の池」を単独で読むこともできますが、やはり順番に読んでいくのがおすすめです。
作:富安陽子 絵:大庭賢哉 偕成社 ¥1300+税

⑨「鏡の国のアリス」

作:ルイス・キャロル 絵:ジョン・テニエル 訳:生野幸吉 
福音館書店 ¥650+税

「不思議の国のアリス」の続編です。
今回、アリスは鏡の国へ入り込んでしまいます。
鏡の向こうはさかさまの世界。
そして、大きなチェスの世界でもありました。アリスもチェスの駒となり、チェスのルールに従って動きます。
ことばあそび、マザーグースの詩や登場人物、その他個性的な人々が次から次へと登場。奇妙な世界を存分に楽しむことができます。

⑩「鏡の犬」(「へんな怪獣」に収録)

作:星 新一 絵:和田 誠 理論社 ¥1500+税

星新一さんのショートショート。「へんな怪獣」に収録されています。
拾った鏡から出てきた犬は、不思議な犬。捜し物を次々に見つけてきてくれます。

このお話は、低学年から読めますが、星新一さんの作品は、社会風刺が効いているものや、サスペンス、人間臭さをついたものなど、様々な要素が盛り込まれているので、高学年からの方がより星新一ワールドを楽しむことができるでしょう。

中高生向け

⑪「天と地の方程式」

作:富安陽子 絵:五十嵐大介 講談社 ¥1400+税

古事記をベースにしたファンタジーの長編。全3巻です。
不思議な力を持った7人が、謎を解き、戦い抜く物語。数学が入り乱れ、音楽を奏で、異空間に翻弄されます。もちろん、古事記をよく知らなくても、数学がわからなくても問題ありません。

ものすごく個性の強い登場人物たちは、出会った当初、あえて関わることすらなかったのに、次第にその距離感にも変化が。
状況は複雑ですが、かなりのスピード感に息をつく暇がありません。
全巻を手元に置いて、読み始めるのがおすすめ。

⑫「裏庭」

作:梨木香歩 理論社 ¥1500+税

裏庭。それは花園のように素敵な庭ではなく、洋館にある鏡の向こうの異世界。
そこで繰り広げられる冒険は、何か重苦しいものが常に伴います。

ファンタジーでありながら、リアルな人間関係や、生死、心の傷などが複雑に絡み合い、独特な雰囲気が漂う物語。
好みが分かれそうな1冊ですが、一度踏み込んだら、結局抜けられなくなるかもしれません。
児童文学とくくってしまうわけにはいかない、深さがあります。

大人向け

⑬「夢十夜」(「文鳥・夢十夜」に収録)

著:夏目漱石 新潮社 ¥430+税

よく“漱石らしくない”と表現される作品。「こんな夢を見た」で始まる、夢の内容を綴った短編集。
第一夜から第十夜の10編から成っており、幻想的な話、恐ろしさを感じる話、とりとめのない話など、それぞれ違った空気を感じることができるでしょう。

そのうちの第八夜は、床屋の話。鏡越しに窓の外を眺めている様子が淡々と描かれます。
深く考えず、美しい文章をさらりと楽しむのもよし、意味の分からないところも、あえてじっくり考え、自分なりの解釈を探すのもよし、です。

⑭「かがみのなか」

作:恩田 陸 絵:樋口佳絵 監修:東 雅夫 岩崎書店 ¥1500+税

怪談えほんシリーズより。
文章はとても短く、絵と一体化して初めて成立する、絵本ならではの怪談。ですが、読み手を選びます。
あえて大人向けに分類しました。大人は自己責任で。鏡の向こうの自分とこちらの自分。怖いです。鏡が身近すぎて、怖い。
是非読んでください、とは言いません。

神聖でありながら身近な道具である、鏡

読んでみたい本は、あったでしょうか。
鏡は無機物でありながら、そこから受けるイメージは独特です。
鏡をきれいにすると運気が上がると言われていたり、魔除けの力があるとされていることも。
何より鏡は、古事記に出てくる三種の神器のひとつとされています。
そして、生活の道具として毎日使う物でもあるのです。
身近であるからこそ、物語の中でも当たり前のようにそこにあります。それは、日常から非日常への入り口。
本物の鏡の世界、鏡の向こうの世界、様々な鏡を堪能してくださいね。