超初心者向けアロマテラピー入門の入門。はじめ方と楽しみ方の基本。

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超初心者向けアロマテラピー入門の入門。はじめ方と楽しみ方の基本。

目次

アロマテラピーとは

アロマオイルの力を借りて、心や体の健康を考えることをアロマテラピー。

これからアロマテラピーを始める場合、何を揃え、どのようにすればよいかということを、順を追ってお話していきます。

また、アロマテラピーを楽しむに当たって、知っておいて欲しい、大切なことがいくつかあります。

詳しくは後ほどお話しますが、ポイントだけを、あえて先に挙げておきます。

アロマテラピーを楽しむために、常に心に止めておいて欲しいことだからです。

  • 精油100パーセントのオイルを使いましょう
  • 原液に直接触れてはいけません。
  • 絶対口に入れてはいけません。
  • 目に入れてはいけません。
  • 持病のある方、妊娠中、お年寄りや乳幼児への使用には注意が必要。
  • 火気厳禁

このように、重要なことはありますが、決してびくびくすることはありません。

それらを守ることで、アロマテラピーは、私たちの生活を多かれ少なかれ、豊かなものにしてくれるでしょう。

精油をきちんと選びましょう

アロマテラピーについては、以前より注目されていますが、ここ数年、認知症の予防への働きかけなど、さらに広く知られるようになりました。

広く知られ、多くの方々が取り入れることで、自分の健康管理や生活習慣に意識を向けるのは歓迎されることだと思います。

一方で、アロマテラピーについての知識がないまま、アロマオイルを手にしてしまうことの怖さもあります。

アロマオイルは、単に香りのするオイルというだけでは、その働きを期待することはできません。

生活を豊かに、そして健康にすごすため、アロマテラピーの力を借りるのであれば、精油(エッセンシャルオイル)とよばれる、混ぜものの一切ない、植物から抽出した香り成分100パーセントのものを使わなければなりません。

精油を間違いなく選ぶためには、専門店での購入をおすすめします。

お店の方に相談して、失敗なく選びましょう。

パッケージに、オイル名、学名、原産国、抽出方法、抽出部位が表示されていることも確認しましょう。

メーカーによっては、ロットナンバーが表示されているものもあり、そのようなメーカーのものは信頼できると思います。

精油は、たくさんの植物からほんの少しの香り成分を抽出して作られます。

ですから、種類によっては、とても高価な場合があります。

高価なオイルは極少量で販売していることもあり、内容量や価格も、オイル選びのポイントのひとつになります。

初めてのアロマテラピーにおすすめのオイルと作用

精油は、何百という種類があります。その中から、手に入りやすく、使いやすい、代表的なものをいくつかご紹介します。

ラベンダー(学名:Lavandula angustifolia/Lavandula officinalis)

甘い花の香りがします。
鎮静作用、消毒殺菌、抗ウイルス、鎮痛、自律神経への働きかけ、抗炎症、皮膚の修復を助け、臭いを抑えるなど、さまざまな働きを期待することができます。
眠れない夜、皮膚のかゆみや痛み、筋肉痛、感染症や免疫力を上げたい時などに役立ちます。
このように、1本あると、多くの場面で役立てることができるオイルです。
書籍などの資料では、やさしい香り、フローラル、甘い、などと解説されています。一方で、ちょっと香りがきついと感じる人もあります。原産地によって香りが違います。

ペパーミント(学名:Mentha piperita)

スッとした、清涼感と刺激のある香りで嗅ぐと頭がすっきりし、リフレッシュできます。
鎮痛、胃腸の不調、鼻や喉の不調、皮膚の不調などへの働きかけも期待できます。
気持ちが疲れた時、乗り物酔い、吐き気、頭痛、筋肉痛、生理痛、花粉症、鼻づまり、皮膚のかゆみ、ニキビや虫さされなどに役立ちます。
刺激性があるので、使用量に注意し、妊娠中、授乳中の使用は控えます。

オレンジ・スイート(学名:Citrus sinensis)

イメージ通り、甘酸っぱいオレンジの香りで、好きな人が多い香りです。
鎮静、血行促進、抗菌、抗ウイルスなどの作用が期待できます。
爽やかな香りは気持ちをリフレッシュさせてくれます。リラックス効果もあり、気持ちを明るくし、神経性の症状などにも働きかけます。胃腸の不調にも。
眠れない夜、食欲不振や、ニキビなどにも役立ちます。
柑橘系のオイルは、光毒性があるため、皮膚への使用する場合は夜にし、使用後、6時間は紫外線に当たらないようにしましょう。
刺激性もあるので、敏感な方は注意が必要です。
酸化が早い種類です。開封後は半年以内に使いきりましょう。

ゼラニウム(学名:Pelargonium graveolens/Pelargonium odoratissimum)

バラに似た甘い香りの中に青みがかった香りが感じられます。自立神経やホルモンバランスへの働きかけを期待できます。抗菌、抗ウイルス、細胞促進、止血、防虫などの作用、肌の不調にも。
月経の不調や、更年期の不調、むくみ、スキンケアに役立ちます。
エッセンシャルオイル「ローズ」に似た香りと作用を持ちます。ローズオイルは稀少なため、とても高価で、気軽に手にすることができません。その代わりにゼラニウムで、少し贅沢な気分を味わうことができます。
妊娠中の使用は避け、敏感肌の方は肌への使用に注意が必要です。

サンダルウッド(学名:Santalum album)

お香を思わせる、深みのある香り。嗅ぐとインドなどアジアがイメージされます。瞑想の時に使われるように、リラックス効果があります。
鎮静、殺菌、抗炎、血行促進の作用が期待でき、肌の不調、泌尿器、呼吸器への働きかけも期待できます。
気持ちを落ち着けたい時、喉の痛みや咳、冷え、乾燥肌に役立ちます。
妊娠初期の使用は控え、うつ状態の場合の使用も控えます。
粘性が高いオイルで、ボトルから落とす際、根気がいります。振らず、じっと待つか、スポイトを使用しましょう。

ティートリー(学名:Melaleuca alternifolia)

すっきりとした強く刺激のある香り。頭がすっきりし、リフレッシュ感があります。殺菌、抗菌、抗ウイルス、抗炎症、呼吸器系に働きかけ、免疫力を高める作用も期待できます。
集中力や記憶力、風邪やインフルエンザ、花粉症、ニキビや傷や水虫、虫さされなどに役立ちます。
妊娠中の使用は避け、敏感肌の方は肌への使用に注意が必要です。

香りの好みや感じ方には個人差があります。

書籍などで、良さそうだと思っても、必ずテスターなどで確認することをおすすめします。

また、ボトルから直接嗅いだ場合と、試香紙などに染み込ませてから嗅いだ場合と、感じ方が違います。

きついと思った香りを、部屋でほのかに香らせると心地良いときもあります。

お店の方に相談して、香りを試させてもらい、好きな香りを見つけましょう。

サンダルウッドの項目でご紹介したように、粘度の高いオイルは、ボトルから1滴落とすのに時間がかかります。

販売している多くの精油のボトルは、1滴がおよそ0.05mlで落ちるように設計されています。

それは、希釈する際の、濃度を計算する目安となります。

なかなか落ちてこないからといって、ボトルを振ると、0.05mlの量に誤差が生じてしまいます。

どうしても落ちてこない場合は、専門店で販売している、スポイトを使用してください。

スポイトは、ボトルの中ブタを開けて使用しますが、素手で開けず、ビニル手袋やビニル袋などを使って、決して精油が手に触れないようにしてください。

また、こぼさないよう慎重に行ってください。

スポイトの1滴の量は、お店の人に確認しましょう。

芳香浴としての使い方

芳香浴とは、精油の香りを空気中に漂わせ、嗅ぐことで、精油の成分を体内に取り込む方法で、もっとも簡単なアロマテラピーの楽しみ方です。

精油の香りは、脳に働きかけます。

また、鼻や喉、肺などの粘膜から、微量な香り成分が血液に取り込まれます。

必ず、好きな香りを選びましょう。

香りがストレスになると、脳に良い刺激が伝わらず、逆効果になることもあります。

ティッシュペーパーで

ティッシュペーパー、コットンなどに精油を1滴~2滴染み込ませて、香りを嗅ぎます。

ハンカチも良いですが、オイルの染みができますし、香りも染みついてしまいますので、専用のものを用意しましょう。

バッグなどに入れておいて、必要な時に香りを嗅ぎます。

バッグの中で他のものに香りやオイルがつかないよう、密閉できる保存袋などを利用しましょう。

安眠のために枕元に置く場合は、手などが触れないように気をつけましょう。

置いた場所にオイルがつく場合もありますので受け皿などを使用しましょう。

私は、精油を染み込ませたティッシュペーパーを使い捨てのプラスティックカップなどに入れ、玄関の見えないところに置いています。

帰宅時にふわりと香り、湿気臭さや、靴箱の臭いなどを消してくれます。

お湯に落として

マグカップなどの器に、保温ポットなどの80度くらいのお湯を入れ、好みの精油を1滴~2滴落とします。

すると、蒸気とともに香りが立ちのぼります。香り成分を含んだ蒸気を吸い込むことで、香りを楽しむだけでなく、喉や鼻、顔の皮膚への作用も期待できます。

マグカップは、オイルの香りが染みつきますので、専用のものを用意しましょう。

また、間違って飲まないようくれぐれも注意してください。

精油成分を含んだ蒸気は目に刺激を与える場合もあります。蒸気を吸入する際は、必ず目を閉じて行いましょう。

アロマポット、アロマライトで

アロマポットはキャンドル、ライトは電球の熱で精油を温め、香り成分を空気中に漂わせます。

ポットの場合、キャンドルの光も併せて楽しむことができますが、火の取り扱いに十分な注意が必要です。

ライトの場合、温まり方が穏やかなので、ほのかな香りが漂います。火を使わない安心感もあります。

どちらも、受け皿に水を張り、そこに精油を落として使用します。ライトは、受け皿に直接精油を落としても良いかもしれません
が、水を張っておいた方が、洗いやすいと思います。

アロマディフューザー

電気式の芳香器です。

水とともにミストとして精油を拡散させるものと、精油の微粒子をそのまま空気中に拡散させるものとがあります。

ミストタイプのものは、加湿器としての使い方もできます。

ディフューザーは、ポットやライトに比べ、香りをしっかりと感じることができます。

生活にアロマテラピーを取り入れましょう

ルームスプレー

用意するもの:スプレー容器(50ml)、無水エタノール5ml、精製水45ml、精油3~5滴

スプレー容器に無水エタノール、精油の順に入れ、よく振り混ぜます。続いて、精製水を入れ、よく振りまぜます。使用する前に必ず振りまぜます。

空間にスプレーします。

部屋にはもちろん、トイレや、お風呂場にも使用できます。

少量で作り、2週間を目安に使い切るようにしましょう。

ルームスプレーとしてだけでなく、キッチンのゴミ箱などに吹き付けても良いでしょう。

私は、衣類の匂い取りに使用します。オイルが染みになる可能性がありますので、衣類の目立たない場所で確認してから使用しましょう。

大切な衣類には使用しないようにしてください。

掃除機の排気に

小さく切ったティッシュペーパーに精油を1滴染み込ませ、掃除機に吸わせます。

気になる排気の臭いを和らげることができます。

拭き掃除に

バケツの水に精油を1滴落とし、よく混ぜてから雑巾を絞ります。

掃除後にほのかに香るのが嬉しい使い方です。

ほのかに香る手紙

精油を染み込ませたティッシュと一緒に、便せんやはがき、名刺などを箱に入れてふたをします。

しばらく置くと、便せんなどに香りが移ります。

いただいたお手紙がほのかに香るなんて、ちょっと粋な感じがしませんか。

注意すること

精油(エッセンシャルオイル)を使いましょう

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物から抽出した天然香り成分のことを言います。

一方、アロマオイルと呼ばれるものには、精油の他に、人工的な香りなどが混ざっているオイルも含まれます。

人工的な香りには、精油のような成分がないばかりか、誤って人体に使用すると、悪い影響を及ぼす可能性も否定できません。

専門店でお店の方に相談したり、学名などの表記を確認するなどして、必ず、天然香り成分100パーセントの精油を使いましょう。

原液に直接触れてはいけません。

植物の成分が凝縮された精油は、刺激が強く、人体に使用する場合は、必ず1パーセント以下の濃度に希釈して使用しなければいけません。

皮膚についた場合は、即座に大量の流水で洗い流します。

場合によっては医師の診察を受けてください。

書籍などによっては、ラベンダーとティートリーは例外で、直接肌に使用してもよいとされている場合があります。

しかし、より安全にアロマテラピーを楽しむためには、例外なく、どのオイルも希釈して使用することをおすすめします。

絶対口に入れてはいけません。

精油を希釈した、うがい薬などのレシピが書かれているものもありますが、決しておすすめしません。

精油を口に入れることは大変危険です。

万が一、誤って口に入ってしまった場合は、口の中を大量の水ですすぎ、洗い流します。

飲み込んだ場合は、吐かず、すぐに医師の診察を受けてください。

その際、誤飲した精油を持参してください。

目に入れてはいけません。

精油は刺激が強いものです。とくに目はデリケートであり、希釈したものでも目に入れてはいけません。

また、やりがちなのが、精油のついた手で目を触ること。

万が一目に入ってしまった場合は、大量の流水で洗い流し、目にさわらず、すぐに医師の診察を受けてください。

持病のある方、妊娠中、お年寄りや乳幼児への使用には注意が必要。

精油には様々な作用を持つ成分が含まれます。持病のある方は、主治医に相談してください。

妊娠中や授乳中、乳幼児への使用は、芳香浴に止めておくのが無難でしょう。

お年寄りの場合は、濃度を基準の半分以下に抑え、様子を見ながら使用します。

また、健康な方でも、異変を感じたら、すぐに使用を中止しましょう。

皮膚への使用

ここでは紹介していませんが、アロマテラピーでは、スキンケアやマッサージなど、精油を希釈して皮膚に使用する場合があります。

希釈濃度は必ず1パーセント以下とし、少量を腕の内側などに塗って一晩様子を見るパッチテストを行ってください。

肌の弱い方は、濃度を基準より薄くするなど、注意が必要です。

火気厳禁

精油はオイルですから、引火する可能性があります。

キッチンでの使用など、火気に近い場所での使用には注意が必要です。

子どもやペットに注意

誤飲など、危険なことがたくさんあります。

手の届かない場所への保管は必須です。

保管について

開封前は、表示されている使用期限を守ります。開封後は1年を目安に使いきります。

柑橘系の精油は、劣化が早いので、6ヶ月を目安にしてください。

購入時に、遮光瓶で売られているものを選び、キャップをしっかりとしめ、瓶を立てた状態で保管します。

直射日光、高温多湿を避け、冷暗所で保管してください。

光毒性

皮膚についた精油が、日光などの紫外線に反応し、皮膚に炎症などを引き起こすことを光毒性と言います。

柑橘系の精油に多く、人体への使用は日中は控えたほうが良いでしょう。

光毒性の有無は、精油のプロフィールに表示されています。よく確認しましょう。

刺激が強い精油

今回紹介した精油の中でも、ティートリーやペパーミントなどは刺激が強く、人体に使用する際には注意が必要です。

1パーセントよりも低い濃度で使用する、パッチテストで刺激を確認するなど、様子を見ながら使用してください。

また、注意の必要な精油については、精油のプロフィールに書かれています。よく確認してください。

医療行為ではありません

医師が、医療行為のひとつとして、アロマテラピーを行うことはあります。

しかし、私たちが自己判断で行って良いものではありません。

体に気になる症状がある場合は、まず、医師の診察を受けてください。

その上で、気持ちや体のストレスを緩和するために、アロマテラピーを上手に取り入れたいものです。

アロマテラピーについて、よく知りましょう

アロマテラピーは、天然香り成分の力を借りて、私たちの心や体を健康に保ち、生活をより豊かにしてくれます。

精油の成分の働きを十分に引き出し、アロマテラピーを楽しむためには、上記に示した、注意事項を守らなければなりません。

たくさんの注意事項があるように感じますが、難しいことではありません。

これらは、知識として持っておく必要があります。

アロマテラピーが、テレビ番組で紹介された後、専門店には、今までアロマテラピーに興味がなかった方々が訪れるようになりました。

お店の方に伺ってびっくりしたのは、精油のテスターを、手首につけて両手首をこすり合わせている方がいらっしゃったということです。

香水売場ではよく見かける光景ですが、精油ではあり得ないことです。

あり得ないことですが、香りのあるオイル、として考えていれば、そうなってしまうのも仕方ないことです。

しかし、危険な行為ですので、やはり知らないというのは怖いことです。

アロマテラピーや精油のことをよく知り、安全で、楽しいアロマ生活を送りましょう。