オウムとヨウムの違いは何?飼いやすいのはどちら?

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オウムとヨウムの違いは何?飼いやすいのはどちら?

ペットとして、鳥、とりわけ大型のオウムやヨウムが人気です。
知能が高く、言葉を覚えてくれるという喜びもあります。

オウムとヨウムの違いや価格、寿命について書いていきます。
また、飼育のしやすさに併せて、病気や注意点についても触れていきます。

これから、ペットとしてオウムを迎えたいと考えている方は、是非ご一読ください。

目次

オウムとヨウムの違い

学術的にはどちらも「オウム目」であり、オウムは「オウム目オウム科」に属し、ヨウムは「オウム目インコ科」に属します。
ヨウムは、大型のインコと考えればわかりやすいでしょう。

ヨウムは体長30cmほど体重は300~500g。
一方、オウムは体長30~120cm体重は300~1200g。
小型のオカメインコなどもオウム科に属しますので、全てではありませんが、オウムの方が大型です。

ヨウムは、体のほとんどを、薄い灰色の縁取りがある灰色の羽毛で覆われています。
顔面部分には羽毛がなく白いのが特徴です。
翼の後ろ部分に当たる、風切り羽根は黒色、尾羽は赤~赤っぽい黒色をしています。灰色の体の中で、この赤い羽根が目を引きます。

オウムには、冠羽と呼ばれる、頭部に長く伸びた羽根があります。
自由に動かすことができ、コミュニケーションに利用したり、敵が現れた場合に、冠羽を使って体を大きく見せたりします。

・顔面の羽毛の有無
・冠羽の有無

が大まかな見分け方になります。

知能の高いのはどちら?

ヨウムは知能が高い種として知られています。
人の言葉を真似、さらに、意味を理解してコミュニケーションを取ることができるとも言われています。

生涯に、1~2回の反抗期を迎え、その時期は自己主張が激しくなり、攻撃的になることもあります。
このように、知能が高い故に、飼育が難しい部分もあります。

一方、オウムの中には、人の言葉の真似がうまくないものもあります。

飼いやすいのはどちら?

ヨウムは古くから飼い鳥として親しまれてきました。
飼い主によく懐き、体も丈夫です。
オウムに比べると性格は温厚で、雄叫びも少なく、飼育しやすいと言えます。

とはいえ、人の言葉だけでなく、物音や電子音まで真似るので、その点では、騒音となり得ますし、雄叫びもゼロではありませんから防音設備は必要です。

神経質な面もあり、ストレスで毛引きなどの行動を起こす可能性もありますから、驚かせたり、おびえさせるなど、ストレスのかかる状況は避けなければいけません。

オウムもよく懐きますが、大声で叫ぶように鳴き、飼育するに当たって、家族、近隣への騒音になる可能性があります。
防音の設備が欠かせません。

性格は品種によって違いますが、オウム科でも小型の、たとえばオカメインコなどは声も小さく、飼育しやすいでしょう。

飼育にあたって

オウムもヨウムも、社会性のある生物で、単独でケージに入れられて飼われることが、ストレスになります。

常に愛情を注いで、遊んであげることが必要です。

また、つついたり、噛みついたりして遊ぶおもちゃも欠かせません。毎日、ケージから出してあげることも大切です。

掃除は、きちんとしましょう。排泄物の掃除は、新聞紙を敷くなどして、手間なくこまめにするようにします。

栄養が偏りがちなので、バランスのよい餌を考えなければいけません。とくにヨウムはビタミンD3、ビタミンA、カルシウムが不足しがちです。

餌や運動不足による、生活習慣病についても注意しましょう。

オウム、ヨウムの価格は?

ヨウムについては、現在、ワシントン条約により、輸入の規制が厳しくなりました。
野生種は、学術研究目的以外の輸入は禁止されています。

野生種以外も、国への登録があるもののみの流通となり、現在20~30万円の価格が、今後さらに高騰していく可能性があります。

ヨウムは、大型のオウムに比べると、飼育し易い方ですが、高価で入手が困難だといえます。

オウムについては、オウム科の中で多くの種類に分かれていて、価格も様々です。
小型、中型で数千~20万円前後。
大型のもので30~80万円ほど。稀少なものですと、100万を超えるものや、1000万近くになるものもあります。

どのくらい生きるの?

オウムもヨウムも長寿で、オウムは小型のもので20年、中型以上になると30~70年ほど生きます。

ヨウムも平均50年ほど。環境などにより、それ以上になることもあります。

家族として長く一緒にいられる喜びを得られますが、一方で、飼い主よりも長く生きる可能性があり、その点も考慮して飼育する必要があります。

病気について

オウム、ヨウムを含むオウム目の鳥がかかる病気に、「オウム類嘴(くちばし)羽毛病」があります。

ウイルス性の病気で、羽根や嘴に異常が起こり、免疫不全による二次感染が深刻です。
動物病院などで、ウィルス検査をし、感染している鳥との接触を防ぐことで予防することができます。

人にも感染する、「鳥クラミジア症」という病気もあります。

飼育に当たっては、餌や環境による、生活習慣病への注意も必要です。

オウム、ヨウムを家へ迎えると同時に、鳥をしっかり診てくれる動物病院を見つけておく必要があります。

ヨウムはオウムのようにいろいろな種類がいるの?

オウムは、オウム科の中でさらに細かく分類され、その数は21種類にもなりますが、ヨウムは、基本のヨウムの他には2種類のみとなります。

「コンゴヨウム」「コイネズミヨウム」の2種類です。

コンゴヨウムは、基本のヨウムより大型ですが、大きさ以外は見た目がとても似ているので、日本ではほとんどの場合、区別して扱われてはいません。

コンゴヨウム

コイネズミヨウムは、基本のヨウムより小型です。
コイネズミヨウムは、濃い灰色の羽毛で覆われています。
価格は、基本のヨウムより数万ほど高くなります。

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コイネズミヨウム

ペットを超え、かけがえのない家族に

数年前、交差点で信号待ちをしていたら、隣に立った方の肩に立派なオウムが止まっていました。

そのような状況に初めて遭遇したので、私は一瞬息を飲み、でも刺激してはいけないのかもしれないと思い、見て見ぬふりを続けました。

でも、鳴くこともなく、あまりにもじっと止まっているので、その人のファッションなのかもしれないと思うほどでした。

横目で気にしつつ、信号が変わると、つい行き先を目で追ってしまいました。
その方はオウムとともに、おそらくお住まいがあるであろうビルの中に入っていきました。

そのオウムは、飼い主さんをとても信頼し、懐いているのでしょう。
それが見ているだけでわかるほどでした。

また、二人とも(一人と一羽)とても誇らしげで、その関係性がうらやましくもありました。

愛情をかければ、かけるほど懐き、信頼関係を築くことができるオウム、ヨウム。

一方で、仕事が忙しいなどであまり気にしてあげられないと、ストレスがたまって羽根を抜いたりするようになってしまいます。

ヨウムの反抗期に手を焼く飼い主の方も多いようです。
しかし、ここを共に乗り越えれば、より深く信頼関係を築くことができるでしょう。

私たちと同じ生き物ですから、同じ性格、体格のものは二つと存在しません。
本やインターネットで得られる情報は一般的なもの。
個体差があるということは認識しておかなければいけません。
必ずしも、本のようにはいかないのです。「話と違う」と感じることの方が多いと思った方がよいでしょう。

愛情だけで片付けられないのが、世話にかかるお金です。
設備、餌、治療や予防接種など、かかるお金についてもあらかじめ把握しておきましょう。

命あるものを育てるという意味では、何についてもそうなのですが、彼、彼女の一生を共にする覚悟が必要です。
健やかなるときも、病めるときも、愛情を注ぐことができるのか。

今一度、自分に問い、その上で、愛し合えるパートナーを迎えることができれば、より幸せな生活を過ごすことができるでしょう。