なぜ鳥居というの?どこで作っているの?朱色なのは何故?

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なぜ鳥居というの?どこで作っているの?朱色なのは何故?

神社やお寺に行くと必ず目にする「鳥居」。

宮島・厳島神社の大鳥居や伊勢神宮(皇大神宮)宇治橋の大鳥居などは有名ですし、なにか悠久の荘厳さを感じますよね。
当たり前のようにくぐってお参りし、当たり前のように戻って来ますが、疑問に感じたことはありませんか?

「そういえば考えたことがなかった」という方、「私は知っている」という方も、ぜひこの記事を読んで見てください。
知らなかった情報が知れるかもしれません。

鳥居とは何なのか、名前の由来、色の種類などの知っておいて損はない情報をまとめていますよ。

目次

鳥居とはそもそも何なのか

日本は古代、神話の国でした。神の住む場所と人間の住む場所は明確に分けられていて、その境界線が「鳥居」です。
つまり、「結界」であり、神へ会うために通る「門」なのですね。 日本の神様は荒ぶる神(祟り神と言っても良いかもしれません)と、福神がいます。

前者の神の社に鳥居を置くのは人間の出入りを監視するためだけではなく、荒神が人間に危害を及ぼさないためにも「結界」を貼っているのです。

ちなみに鳥居から入って参道が折れ曲がっている場合は荒神で、まっすぐな参道の神社は福神だという見分け方もあります。

神には血を好む神とそうではない神がいますが(諏訪大社などは血を好むことで有名ですね)、日本の昔からの風習で、生理中の女性は鳥居をくぐれない、というものがあります。
これは「穢れ」を神の住む社に入れない、ということであり、エスカレートして「女性はお参りできない」という神社も過去は存在していました。

今でもお参りの時に生理が来ている女性は、鳥居の外側を歩くというのがマナーになっています。

鳥居の起源は様々な学説が存在しており、「於不葦御門(うへふかずのみかど)」(皇太神宮儀式帳)として文献には載っています。

天照大神を天岩戸から誘い出すために鳴かせた「常世の長鳴鳥」からちなみ神前に鶏の止まり木をおいたことが起源だという説や、日本の冠木門が起源だとする説、インド仏教や朝鮮半島、イスラエルなど海外の宗教施設に起源を求める説もあります。

ユダヤ教徒関連があるというちょっとトンデモな学説まであります。
結局日本で残っている一番古い文献に頼っても、8世紀初頭に現在の形が確立したということしかわかっていません。
奈良時代から神社建築の「門」の一種として存在しています。
でも、ここまで日本中に広まっているシンボルマークが由来不明というのは面白いですね。歴史のロマンを感じます。

なぜ「鳥」がつく?

これについても起源と同様、詳しいことは不明です。
一説によると鶏の止まり木(天照大神の説ですね)を意味する「鶏居」が語源となっていたり、「門」という役目から「とおりいる(通り入る)」が転じたという説、インド仏教の建築物「トーナラ」に漢字を当てはめたという説などなど。

建築の構造から見た説もあり、高欄の横木の最上部のものを「鳥居桁」と呼ぶことから建築用語が転じたのではないかというものです。

どこで作っているの?

鳥居は神社の本殿、お寺などと同じく、宮大工さんが作っています。
補修工事なども宮大工さんが手がけています。
全国に宮大工の会社があり、大きなものはその場で建てて工事をしますが、小さなものは作業所に分解して持って帰り、そこで作業をすることになります。

今一番有名な宮大工さんの会社は「株式会社 社寺建築社」と言い、東京の世田谷区桜上水に会社を構えています。
ジブリの「耳をすませば」で有名な桜上水に、そんな技術者集団がいるんですね。

無色と朱色があるのはなぜ?他の色は存在するのか?

鳥居といえば「赤い」というイメージがありますよね。 あれは赤というより、実は「朱色」。
水銀を塗った色です。
古来から「結界」の意味を持たされて来た鳥居は、魔除けである必要がありました。

神様の住処を侵させない、神様の住処を侵さない。そういう意味があります。

また、水銀には虫除け効果と防腐作用があります。
そのため当時はかなりお値段が張るものだったのですが、時の権力者はそれを自らの財の多さを誇示するために使用しました。仏像などと同じ使い方です。

日本では「神仏習合」という時代があり、その際に仏教から輸入されて来た色が「朱色」です。
鳥居の最古の文献は奈良時代ですから、仏教が日本に渡って来て盛り上がり始めた頃です。
権力のある人間は仏像や寺社を立てることに忙しい時代でした。
魔除けであり、権力を見せつけるのに適していたのが鳥居の「朱色」だったわけです。

となると、無色や白木の鳥居はどういう意味があるんでしょう?
出雲大社などは白木の鳥居です。

これは理由は簡単で、本来の鳥居は白木のものなんです。
白木というのは日本で神聖視されていた色で、古くからの神道に由来します。
つまり「神仏習合」に飲み込まれず、ずっと神様一筋!という神仏分離派の鳥居になります。

また、戦後鳥居や本殿が失われてしまった神社では急いで建て直したため、白木やコンクリートの鳥居のままということがあるそうです。

では他の色はあるのでしょうか?

こちらは中国の「四神」という、各方角を霊獣が守っているという言い伝えから来ています。
それによると、北は玄武、東は青龍、西は白虎、南は朱雀、中央は麒麟です。
霊獣たちの持つ色は 玄武が黒、青龍が緑(青)、白虎が白、朱雀が赤、麒麟が黄となっています。

ということは緑(青)や黒や黄色の鳥居も少ないですが存在するということですね。

鳥居をくぐるときは敬虔な気持ちを忘れずに

このように振り返ってみると、一口に鳥居といっても、機嫌の説も様々ならば、名称の由来も様々な説があるんですね。
でも、「結界」であるということは同じ。 お参りは「神様の住処にお邪魔すること」ですので、鳥居をくぐる時は心の中で「お邪魔します」と思いながらくぐりましょう。

鳥居の上に石が乗ったら幸せになれる、なんて俗説は迷信ですし、割れ目などにお賽銭と称して硬貨をねじ込むのも神社の迷惑になりますのでやめましょうね。