トマトが赤くならず青い・黒いのは病気!? 対策が知りたい!
目次
青くなるのはなぜ?
そもそもトマトは出荷時には青いものですが、これはちょっと…というものの場合。
「青枯病」かもしれません。
青枯病というのは、株が緑色のまま急激にしおれる病気です。
これは土の中に生育する細菌によって引き起こされます。
青枯病かどうかは、土のきわの茎を切り、その液をコップに入れた水に挿して日にかざすことでわかります。
乳白色のよどみがでたら青枯病です。
この液体は細菌を含んでいるので、周囲に伝染させないように捨てましょう。
黒い斑点が出るのはなぜ?
これは病気の可能性が高いです。
病名は「尻腐れ病」。
名前の通り、トマトの実のお尻が黒く腐っていく病気です。
原因は土壌のカルシウム不足か窒素過多だと言われています。
他にどんな病気があるの?
まずはどんな野菜もかかる可能性がある「疫病」。
茎や果実に暗褐色のシミができて、それが広がって果実が腐敗する病気です。
発生時期は5月〜7月ごろが多いです。 原因としては、土の中のカビが、雨や水やり時に泥に混じって跳ねて、葉っぱや茎につくことで伝染します。
水はけの悪い場所や梅雨時期も多発します。
水やりの際には土の表面にワラなどを敷いておくと比較的予防できます。
この病気の時に窒素肥料を多く与えてしまうと、病気が大きくなってしまう可能性があるので、過剰な追肥は控えましょう。
「モザイク病」というものもあります。
葉っぱの緑色がムラになり、葉が縮れて糸のように細くなったり、モザイク状のマダラ模様が現れるためにこの名前がつきました。
病気にかかった株の汁液を吸ったアブラムシなどが、別の健康な株に汁を吸いにいくときにウイルスを移します。
また、厄介なことに株を切ったハサミや人間の手から感染することもあります。
「ネコブセンチュウ」という病気もあります。
トマトだけに起きる病気ではありません。
糸状の小さな体のセンチュウが、根っこに侵入して、葉っぱや茎の養育状態を悪くします。
これに犯されると、葉が退職したり、しおれたり枯れたりします。
掘り起こしてみると根っこがコブ状になってるのがわかりますので、その場合はこの「ネコブセンチュウ」です。
様々な作物がかかる病気でも有名なのが「うどんこ病」。
うどん粉のような白い斑点が葉っぱをおおう病気です。
これはカビによる病気で、乾燥した環境で発生するものです。
夏は発生が少ないですが、対策として「株間を保つ」「適宜剪定をする」「日当たりを良くする」「風通しを良くする」などが上げられます。
伝染力の弱い病気なので、病気にかかった部分はすぐ処理しましょう。
対策を教えて!
「青枯病」の対策方法は、水はけを良くして、細菌が土の中で活発にならないようにすることです。
地温の上昇を抑えることも大切なので、「マルチ」とよばれる防虫グッズを使用するのも効果があります。
「尻腐れ病」の対策ですが、カルシウム不足の場合は、苦土石灰を水で溶いて畑に蒔いて見ましょう。
窒素過多は肥料の与えすぎで起こります。
対処としては、肥料の量やあげる回数を減らすことです。
どんな病気もポイントとして、
- 水不足にしない
- 肥料はたっぷりやるが、窒素過多にしない
- 地温を保ったり泥はねを防ぐためにシートや切りワラを鉢にかぶせる
- 病気が発見されたらすぐに摘み取ったり廃棄する
- 虫をつかせないために防虫ネットをかける
などの方法があります。
せっかく丹精込めて作った野菜ですから、最後まで立派に育てたいですね。
赤くするには何が大事?
そもそもトマトが赤くなる原理はご存知ですか?
トマトの赤色はリコピンという色素が元です。
果実が未熟なうちはクロロフィルという葉緑素の色素が強く出て赤く見えませんが、熟していくとクロロフィルが雲海され、リコピンが作られて赤くなります。
スーパーなどで青いトマトを入荷して、売る時には追熟されて赤くなっているのはこの原理を応用したものですね。
では、なぜトマトが赤くならないのか。
まず第一に、完熟の状態まで育てるのには時間がかかる、という点が挙げられます。
なので、6月後半に「まだ赤くならない…」と言っているのは時期尚早。
開花後50日〜60日(ミニトマトや中玉トマトは40日〜50日)で収穫できるので、気長に待ってくださいね。
あとは栽培方法の問題がふたつ。
ひとつは日照不足と窒素過多です。
トマトが赤くなるには、日照時間と温度が深く関係しているので、日当たりの悪いところではなかなか色づいてくれません。
また、肥料の窒素を増やしてしまうと、実が赤くならない他に、花が咲かなかったり実のつきぐあいが悪かったりします。
そして、適度に摘果(てきか)と摘芯(てきしん)をしなかった場合もトマトは赤くなりません。
せっかく育ててもったいないのですが、色づきが悪かったり、ちいさい果実は適度に取り除いてやらないともっといいトマトが生えてこれなくなります。
この作業をしないで生やしっぱなしにしてしまうと、栄養分が分散してしまい、ほかの果実にも十分な栄養が行き渡りません。
ここは心をぐっと鬼にして頑張りましょう。
トマトは手軽に育てられる夏野菜として人気ですが、植物に病気はつきものです。
もし失敗してしまっても落ち込むことなく、来年また頑張りましょう。
育てた作物を収穫する喜びは、何者にも代えがたいものですよ。