春菊を家庭菜園でうまく育てたい!種まき・栽培・収穫をプロに聞く

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春菊を家庭菜園でうまく育てたい!種まき・栽培・収穫をプロに聞く

たまにしか食べないけど、「この料理には欠かせない!」という野菜ってありますよね。

春菊もそのひとつにあげられます。

すき焼きなどの鍋物料理にはもちろん、おひたしや白和え、胡麻和えもとっても美味しい!

でも、いちいち買うのはちょっと…というあなた!

家庭菜園で春菊を育ててみませんか?

育てるのも比較的簡単なので、家庭菜園ビギナーにも嬉しい野菜です。

春菊を育てれば、ちょっと栄養を足したいときに、寒い日の鍋物に、と大活躍間違いなし!

育て方を載せますので、一緒に勉強してたくさん収穫しましょう!

目次 [show]

種まきの時期

春菊の種まきの時期
春菊は3月〜5月8月〜10月年に2回タネを蒔くことができます。

一年で2回も収穫できるなんてとってもお得ですね。

タネを蒔く時期の2週間以上前から、土を作っておく必要があります。

2週間以上前から石灰を土に混ぜ、1週間前には堆肥と化成肥料を継ぎ足しておきます。

植える前に、畝を作っておくことも大切です。

春菊は酸性の土地ではうまく育たないので、石灰や肥料を混ぜてアルカリ性にするんですね。

水もたっぷりあげることが重要です。

春、夏〜秋のタネ蒔きで、2ヶ月ほど経てば収穫が可能です。

プランターと地植え、それぞれのポイント

春菊の芽

プランターを使用する場合

プランターの場合
プランターを使用する場合、春菊の根張りを良くするために深さが15cmはあるものを選びましょう。

プランターの底から水が流れ出てくるまでたっぷり水をやってからタネをまきます。

板などで溝をつけて、タネを少量ずつまいていきます。

間隔は10cmは欲しいですね。

地植えの場合

地植えの場合
地植えの場合、連作障害を起こしてしまう可能性があるので、同じ場所で連続して作らないでください。

最低でも一年は期間を空けましょう。

種まきをするときは、地植えの場合20cmは間隔をあけてください。

間引きする際にきちんと根元に土を寄せてあげると、とてもよく育ちます。

栽培の注意点、病気や害虫対策

栽培するときの注意点を流れに沿って述べますね。

まずはタネ蒔きのポイントですが、発芽するまで絶対に乾燥させないようにしましょう。

春菊は乾燥にとても弱い野菜なので、たっぷり水をやって保湿をします。

切ったワラや新聞紙をかぶせてあげてください。

また、タネの間隔はプランターの場合最低10cm、地植えの場合は15cm~20cmほどがよいでしょう。

あまり近くに植えてしまうと、株ごとの成長をお互いに蝕んでしまいます。

間引きする際には、お互いの株の間隔が10〜15cmになるように調整しましょう。

春菊はその名前の通りキク科の植物で、虫の食害や病気の発生リスクは低い方です。

気をつけなければいけない病気は、湿度が高い時期に発生しやすい「べと病」「炭そ病」です。

防ぐためには、葉っぱが重なり合って通気性が悪くならないように、適度に風通しをよくすることです。

もったいなくても間引きをしましょう。

間引きした葉っぱは若くても食べられるので、無駄にはなりません。

水はけを良くすることも重要です。

水がたまってしまうと、湿度が高くなり病気の発生リスクがあがるだけでなく、根腐れを起こしてしまうことがあります。

病気になってしまったときは、農薬を散布するのが一番の解決方法です。

次に害虫被害ですが、春はアブラムシ、スリップス、秋はヨトウムシ、ネキリムシが発生しやすいです。

どれも防虫ネットをかけることで予防できます。

防虫ネットをかけていても虫が発生してしまった場合、やはり薬をかけることによって虫を排除することができます。

薬はなるべく使いたくない、という方は、重曹を使いましょう。

重曹はもともと食品です。

口に入れても害がないので、お子様のいる家庭でも安心して使うことができますね。

500倍に水で薄めて、霧吹きなどで葉っぱの一枚一枚にしっかり吹き付けます。

そうすると虫たちは窒息して、葉っぱや茎からいなくなります。

収穫の時期は?

春菊の収穫
春菊の収穫時期は、5月〜7月9月〜12月の2回です。

タネを蒔いてから大体2ヶ月程度で食べ頃になります。

収穫するときは、品種によって方法が違います。

株ごと根っこから抜いて収穫する「博多改良中葉春菊(4号)」「サラダ春菊」「たつなみ春菊」「株張中葉春菊(関西タイプ)」などは、抜いたあと根っこのすぐ上をハサミで切断して収穫します。

摘み取って収穫するタイプの「大葉春菊」「おたふく春菊」「ふくすけ春菊」「株張中葉春菊(関東タイプ)」などは、本葉が10枚ほどになった時点で、下葉を3~4枚残し、ハサミで切り取って収穫します。

摘み取りタイプは残してある株から脇芽が出て、それも収穫することができるので、長い間楽しむことができます。

私のオススメは、生でも食べられる「サラダ春菊」と、育てやすい「たつなみ春菊」です。

収穫は早めに行わないと、硬くて食感も悪くなります。

茎が細く、高さが20cm以内のうちに収穫しましょう。

ちょっと癖がある…けど美味しい!春菊の魅力を再発見しよう

収穫したての春菊は、シンプルな味付けで食べてみてください。

野菜特有の爽やかな香りと、じんわりとした苦味が口の中に広がります。

春菊にはカルシウムやリン、鉄分にカリウム、ビタミンC、ビタミンB群が多く含まれていて、できればたくさん摂取したい野菜です。
βカロテンもたくさん含まれていて、ほうれん草や小松菜より含有量が多いんですよ。

食物繊維も豊富で、上手に取り入れて食卓にのせたい食材のひとつ。

今世間ではパクチーなど癖のある香草が定着しつつありますが、昔からある春菊だって、その底力はたいしたものです。

子供の頃はわからなかったけれど、大人になったら美味しく感じるんですよね。

ましてや自分で育てたものならなおのことです。

楽しく育てて、楽しく味わってくださいね。