お正月の仏壇のお供えはどうすればいいの?のしと表書きの仕方を知りたい!
日本人ならお正月は初詣に行き、おせちとお雑煮を食べたいところですよね。
お正月のイメージはなんとなく神社のイメージがありませんか?
そもそも元旦を祝うこと自体が神事ですよね。
でも、実はご家庭にある仏壇にも、お正月用の飾りつけなどがあるんです。
もともと日本の「地獄の釜の蓋が開く時期」というのは、1月とお盆の8月の2回あります。
つまり、仏教でもお正月は大事な祖霊祭祀の行事なのです。
この記事では仏壇に何をお供えすればいいのかや、宗派によって違いがあるか、喪中の時はどうすればいいかなどの疑問にお答えします。
これさえ読めば初めて行くお宅へのマナーもバッチリですよ!
目次
何をお供えすればいいの?
お正月はまず、米の収穫を祝うための先祖供養のお祭りだったことを考えましょう。
その名残で、お餅を供えるようになりました。
仏壇へのお供えは「五供(ごくう)」と呼ばれていて、
- 香
- 花
- 灯燭(とうしょく)、灯明(とうみょう)
- 浄水
- 飲食(おんじき)
を捧げるのが基本です。
香は線香や抹香、灯燭(灯明)はろうそくのあかり、浄水は綺麗な水(水道水で構いません)、飲食はご飯(できれば炊きたて、自分たちがいつも食べるもの)となっています。
飲食はご飯だけでもいいのですが、できればお正月はお膳を作ってお供えしたいですね。
仏教は「三厭(さんえん)」と呼ばれる、鶏肉、魚肉、獣肉と、「五薫(ごくん)」と呼ばれる、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ハジカミを抜いたものを用いてお膳を作ります。
基本的には煮物、ご飯、汁物になります。
焼き物を供えるお宅もあるようです。
それにお正月なので、鏡餅、若水(朝一番に汲んだ水、古くは井戸水を使用した)、野菜、乾物、菓子、海藻などを取り入れて膳を作ってお供えします。
お花は普段のものでもいいのですが、若松や若竹、梅などを使用しても華やかで良いとされています。
宗派で違うの?
宗派によっては、仏壇へのお供え物が変わってきます。
宗派別に紹介していきますね。
浄土宗
花、季節の野菜、くだもの、お菓子などのお盛りものをお供えします。
曹洞宗
お線香、お霊膳、くだもの、お菓子、嗜好品(タバコやコーヒーやお酒など)、お花、灯燭(灯明)、お水をお供えします。
日蓮宗
お茶、ご飯、好きなお供え物(お菓子、果物、野菜などのお盛り物)、水の子、お花をお供えします。
真言宗
季節の食べ物(お雑煮やおしるこなど)、野菜の煮物、くだもの、お菓子、お茶などをお供えします。
お箸も一緒にお供えします。
臨済宗
お花、くだもの、季節の食べ物(お雑煮やおしるこなど)、お菓子などをお供えします。
浄土真宗
浄土真宗は何をお供えするかは決まっていません。
好きなように、先祖に食べてもらいたいものをお供えしましょう。
飾り方を教えて
さてお正月の仏壇の飾りは、少々込み入っています。
ひとつずつ説明していきますので、是非とも参考にしてくださいね。
①打敷(うちしき)
打敷とは、金襴の布のことをいいます。
浄土真宗では三角形、その他の宗派では四角形のものを使用します。
浄土真宗は三角形の内敷を五具足(あるいは三具足)の下に敷きます。
五具足(三具足)とは仏具の、香炉一つと燭台一対、花立一対でひと組になるもののことをそう呼びます。
浄土真宗以外の宗派は、四角形の打敷を膳引き(可動式の台)の上に敷いて、その上に仏膳を乗せます。
仏壇の前面に打敷が垂れる形になります。
②仏膳(ぶつぜん)
仏膳とは、お供え用の小さなお膳のことをいいます。
これに「三厭」と「五薫」を除いた精進料理を乗せます。
お正月なので、おせち料理などがご先祖に喜ばれるかと思います。
③鏡餅
これは浄土真宗では特に重要なお供え物とされています。
浄土真宗では報恩講という親鸞聖人を讃える、一年で一番大切な法要の時もお餅をお供えします。
鏡餅は三重になったものが一番良いとされていますが、厳密に「この大きさ!」という決まりはありません。
仏壇が小さい場合などもありますので、可能な範囲内の大きさのものを飾りましょう。
④お花
お正月なので、菊などの定番のものだけでなく、松、竹、梅の他に南天なども飾るととても華やかになります。
⑤ろうそく
ろうそくには決まりがないので、普段使用しているものを使用しても構いません。
仏事用の白いろうそくもいいですが、新年の初めにふさわしく、蒔絵を描いた絵ろうそくや朱ろうそくなども良いでしょう。
小さなお子様がいる家庭では、電気でろうそくの形を模したライトなどもいいでしょう。
⑥お香
お香は線香か抹香を使用します。
宗派によってあげ方が変わってくるので、以下に作法を書いておきます。
ろうそくと同じく、小さなお子様がいる家庭や、香りが気になる集団住宅などに住んでいる場合は、ライトが点灯するタイプのものが売っていますので、それを使用するのが良いでしょう。
■浄土宗
浄土宗での線香のあげ方は、1本の線香を2本に折るか、2本の線香を使用します。
その2本に同時に点火し、まとめて香炉の真ん中に立てます。
■浄土真宗
こちらは1本の線香を2つか3つに折り、それらに同時に点火します。
その線香の束を、火がついている端が左側にくるようにして香炉に横に寝かせて置きます。
2つに折るか3つに折るかは、香炉からはみ出ない大きさにするように決めてください。
■曹洞宗・臨済宗
「禅宗」と呼ばれるこれら二つの宗派では、1本または2本の線香を立てます。
■日蓮宗
こちらでは1本の線香を香炉の真ん中に立てます。
■真言宗・天台宗
このふたつの宗派では、3本の線香を香炉に立てます。
この3本は、上から見て三角形になるように立てます。
自分側にひとつの頂点が、仏壇側にふたつの頂点が来るように立てます。
お正月飾りは12月28日に飾るのがよいとされています。
29日以降はあまり良いとされていません。
松の内を過ぎたら飾りは取り払いましょう。
お金をお供えするときの熨斗(のし)と表書きは?
お供え物につける熨斗は「お年賀」と書くのがよいでしょう。
水引が紅白の蝶結び(花結び)のものを使用します。
表書きには薄墨ではなく、濃い色の墨で、必ずフルネームを書き入れるようにします。
また、黄白のし紙を使用する家もあります。
お正月ご実家に挨拶に行く、などの時は、リサーチして行くと良いですね。
紅白でも失礼ではありませんので、心配な場合は紅白のものを使用しましょう。
喪中の家にお年賀を持って行く際には、黄白が良いと思います。
お正月の三が日(1日~3日)の間に持って行くのが良いとされていて、7日を過ぎたらお年賀と書いたのしを持って行くのはやめましょう。
「お年賀」ではなく「お年始」と書く家庭もありますので、そこの部分は確認した方が良いでしょう。
喪中の場合はどうすればいいの?
喪中の場合、四十九日までは慶事を控えることになります。
そのため四十九日内の場合お正月なども行わないことになります。
それ以降は個人的な判断になります。
お正月をしてはダメだというわけではないので、四十九日以降の場合は、お正月飾りをするかどうかはご家族と相談するなどするといいですね。
喪中のお宅にお供え物をおくったりお金を包みたい時は、松の内を外して「寒中」に訪問するのがマナーとされています。
この場合、表書きはお年賀としないで「寒中見舞い」とします。
寒中とは寒の入りである小寒の初め(1月5、6日)から大寒の終わり(2月3、4日)までを言います。
お正月は一年の始まりだけあり、ご先祖にも綺麗な仏壇で過ごして欲しいですよね。
仏壇の掃除は12月内に終わらせて、爽やかな気持ちで新年を迎えましょう。