リトミックとリズム体操の違いは何?
この記事では、リトミックとリズム体操の違いについてお話します。
子どもに何か音楽に精通することをさせてみたいけれど、何がいいのか分からない、どれも同じなのではないかと思っている方は、良かったら参考にしてみてくださいね。
子どもによってどれが向いているのかというのは違いますし、我が子にはどちらが良さそうかというのを考えるきっかけになるかもしれませんよ。
リトミックはわりと専門的な言葉なので、お子さんがうまれてはじめて耳にした方も多いと思います!
リトミックとリズム体操の違いを元保育士の立場からお伝えしますね。
 
目次
リトミックって何?
リトミックは、スイスの音楽教育家が発案した教育法です。
音に合わせて歌ったり、楽器を鳴らしたり、踊ったりすることで、音楽的な能力を養うだけでなく、運動能力や知的能力など、様々な感覚を養っていくことを目的としています。
これだけ聞くと、難しいことをやるのかなと思ってしまいますが、リトミックは基本的に「自由」で制約やルールに囚われないという考え方です。
子どもには、楽しくのびのびと音楽を通じて無限の能力を開花させたいと思うのであれば、リトミックはぴったりかもしれませんね。
リトミックは年齢に合わせたアプローチがなされるため、子どもにとって無理なく自然な形で様々な能力が養われていきます。
リトミックとはどんなことをするのか、そこが気になるかと思いますが、「耳に入ってくる音楽を体で表現する」ということが基本となりますよ。
自分の体や楽器だけでなく、特に幼児期は音楽の世界観に入りやすくするために絵本やリズムカードを使ったりもします。
ピアノの曲は、テンポのよい速い曲やゆっくりとした曲、ずっしりとした重みのある曲など強弱もつけて弾きます。
そうすることによって、子どもの表現力を引き出します。
耳に入ってきた音楽をそのまま感じて表現するのがリトミックです!(集団でリトミックをすると、きょろきょろと周りを見回して表現した子の真似をしがちなのですが、本当は一人ひとり感じたままに全身運動できるスタイルが理想です!)
また、年齢によって0-3才くらいまでは大人と一緒に参加し、4才以降は子どもが自分一人でリトミックに参加するのがよいとされています。
だいたい4才くらいになれば、耳から入ってきた音楽を自分の五感を使って自由に表現できる時期に入ってくるはずです!
リズム体操・リズム遊びって何?
リトミック=リズム体操・リズム遊びと思われがちですが、実際は少し違いがあります。
リトミックが自由に音楽を体を使って表現するのに対して、リズム体操・リズム遊びは決まった体操や遊びをみんな同じように取り組むというところに大きな違いがあるんです。
リトミックは自由度が高いという点から、リズム体操やリズム遊びとリトミックは区別されやすいですよ。
リズム体操は、誰もが知っている馴染みのある音楽に合わせて、全身を動かします。
そして、リズム遊びも様々な音楽やリズムに合わせて、歌ったり踊ったりしますし、子どもが遊びの中で日常の音や楽器などに合せて、走ったり止まったり、早足になったりジャンプしたりといった音遊びを楽しみます。
子どもの幼稚園の保育参観でも、ピアノの音やタンバリンの音、太鼓の音に合わせて走ったりジャンプしたりしていましたよ。
私も娘3人がそれぞれ4歳児になるまで家庭保育をしていたため、子育て支援センターなどでたくさんのリズム体操やリズム遊びを一緒にしてきました。
その中でも、娘たちは特にリズム体操が大好きでしたね。音楽に合わせて先生が踊るのを見て、同じように子どももするのですが、一生懸命に真似る姿がかわいらしかったです。
特に我が家の子どもたちは、「エビカニクス」や「あひるのダンス」「秘伝ラーメン体操」が大好きでした。
子育てしているお母さんにとっては、リズム体操やリズム遊びはとても身近な親子遊びではないでしょうか?
ただ、最近ではリトミックのように自由な発想でリズムを取りながら体操をするというリズム体操教室もあります。
0歳~3歳くらいまでは、親の動きを真似したりするので、親子で参加というところが多いですよ。
どこで教えるものなの?
リトミックは音楽教室が行っているリトミック教室や、リトミックを保育指導教育に取り入れている保育園や幼稚園で教わることができます!
他に、地域の親子サークルで不定期にリトミック講師にきてもらう方法や、定期的に講師に教わるリトミックサークルに参加する方法もあります。
気になった人は、自分の地域でサークルを募集していないか確認してみてくださいね。(ちなみにサークル活動は自分でも企画できます。私は息子が1才の時にママヨガサークルを企画して、メンバーが8人集まったところでヨガ講師の先生に定期的にきてもらいました。会場は公民館でしたよ。)
もし、リトミックに興味があっても教わる教室がみつからなかった場合、今はYouTubeなどの動画配信サービスでも気軽にリトミックを知ることができます。
ただし、配信サービスはあくまで映像から学ぶだけなので、五感を感じるリトミックを体感するには実際に会場で教わるのがいいですよ。
生の演奏と広い空間が、リトミックの効果を最大限にいかすのには必要です。
①音楽教室
リトミックにしてもリズム体操にしても教室があります。
専門の教室は確かにお金がかかりますが、年齢別にその子どもの成長に合った内容を実施してもらえるので、子どももより楽しむことができますし、親の満足度も高いといえますよ。
カワイ音楽教室やヤマハ音楽教室を始めとする、多くの音楽教室でリトミックやリズム体操、リズム遊びを取り入れています。
②公民館・子育て支援センター
私の住まいのある子育て支援センターや公民館では、時々リトミックの講師の先生を招いて無料の教室が開かれることがあります。
とても人気で、すぐに定員がいっぱいになってしまいますが、無料で手軽に体験できるのがいいですね。
ちなみに、リズム体操に関しても無料の教室が開かれますが、娘たちが就園前の子育て支援センターのイベントで、毎月スタッフが講師になってリズム体操をしてくれていたので私と娘たちも親子で参加していましたよ。
③リトミック研究センター
特定非営利活動法人である、リトミック研究センターでもリトミックの教室を検索することができます。
専門的なので、より効果的に子どもにさせてみたいと思うのであれば、一度問い合わせてみるのもいいでのはないでしょうか。
④リズム体操教室
リトミックのように、リズム体操教室も独自の教室を開いている方がいます。
お住いの近くにあるかどうかは分かりませんが、インターネットで検索してみたり、近所の人やママ友さんから情報を収集してみはいかがでしょうか。
どんな効果があるの?
リトミックの効果
リトミックは、潜在的な基礎能力の発達を促すといわれています。
五感を思いっきり使うことで全身に刺激がめぐり、様々な効果があるようですよ。
①運動能力の向上
身体を動かすことで、運動能力を向上させることができます。
自由に音楽を表現することで、普段しないようなダイナミックな動きが入る子もいるかもしれません。
我が家の娘たちも、普段そこまで大きな動きをすることがなかったのですが、リトミックの伴奏に合わせて気持ちが高ぶったのか、ものすごい大きなジャンプをしたりしてびっくりしたことを覚えています。
②集中力を高める
音に対して集中することで、集中力を高めることができますよ。
音楽と身体だけを使うリトミックですので、耳を常に音楽に傾けています。
一瞬で変わる音楽の変化にも対応できるよう、聞く力がついてきますね。
③コミュニケーション能力を向上させる
リトミックは自由に表現をすることに重きを置いているので、一見個人プレイのように思われがちですが、自分の体を使ってどう表現しようとするのかということは、コミュニケーション能力の向上につながりますよ。
「今のピアノの音は、音がはねてて楽しそうだから、楽しそうにピョンピョン飛んでみた」といった娘の解説を聞いて、音と呼応してコミュニケーションをとっている感じが可愛いなと感じました。
さまざまな表現力を使ってリトミックするので、普段から表現する力がつきます。
コミュニケーションにおいて身振り手振りを使って表現する力がついたり、曲の変化に素早く対応することで瞬発力もつきますね。
④心と体のバランスを整える
リトミックは音楽をよく聞くことから入りますが、音楽によって気持ちは落ち着いたり感情が揺さぶられたり変化をします。それを自分自身の体表現することで、心と体のバランスを整えることができますよ。
自分の気持ちがモヤモヤしている時に、体を動かすとスッキリしますよね?
音楽も楽しい音に合わせて体で楽しいを表現する、ちょっと切ない曲の時にそれに合わせた体の表現をするということは、心と体のバランスを整えてくれます。
⑤右脳と左脳を鍛えられる
リトミックは、右脳と左脳の両方をバランスよく鍛えることができます。
右脳で音を聞き、左脳で音楽が何を語り掛けているのか判断し、右脳で表現するというわけです。
普段の生活で五感を最大限に使う機会はあまりないですよね。
リトミックでは五感を使いながら身体を動かすので脳はとても刺激されますよ。
⑥生きる力を育む
リトミックで音を聞き瞬時に自分の体で表現するというこの一連の動作には、情報を処理して判断し、行動をするという、まさに人間が生きていくために必要な力を身に着けるわけです。
小さなころから、その力が備わっていれば、これから先の人生もしっかり自分で判断して生きていく力につながっていきます。
⑦プレゼンテーション能力が高くなる
リトミックは人前で発表することも多いので、恥ずかしがらずに人前でも自分を堂々と表現することが出来るようになるため、プレゼンーション能力が高くなります。
⑧リズム感が養われる
リトミックはリズム運動が基本となります。
音を聞き、それを体で表現するために、聞いた音をそのままリズムに合わせることが出来るようになりますよ。
リズム体操・リズム遊びの効果
リズム体操やリズム遊びも、音楽を通じて運動能力が高まる効果が期待できます。
その他にも、音に集中することが出来るようになりますし、リズム感も養われますよ。
また、同じ体操を真似ることで、どう大人が体を動かしているのか観察して、それを実際に動いてみせるという行動が加わりますし、繰り返すことで記憶力も良くなります。
もちろん、リズム体操やリズム遊びの中でも、周りの子どもとのコミュニケーションを取ったり、自分なりの世界観を表現するといったことも出来るようになりますよ。
リトミックの効果④リズム感がつく
リズム感のある子は、その後スポーツ等を始めた時に飲み込みが早いといわれています。
リトミックでリズム感を付けておけば、今後の習い事の習得力にも影響するかもしれませんね。
リトミックの効果⑤集中力がつく
音楽がやんだらピタっと動きをとめたり、次々と変わっていく曲に五感を使って集中して表現するので集中力がつきます。
楽しんで集中力もついたら嬉しいですね。
親も一緒になって楽しもう!
元保育士の私は、実際にリトミックをやっている子どもたちの姿をたくさん見てきました。
リトミックの効果はお伝えしたとおりですが、リトミックをしている時に一番大切なのは、子どもが笑顔になって楽しいことだと思います。
人前で表現をするのって、大人でも勇気がいりますよね。
もじもじして恥ずかしがる子には、無理強いしないであげてください。
子どもが小さいうちから何か身に付けさせたいという、親の気持ちもよく分かります。
リトミック・リズム体操・リズム遊び、どれにしても子どもが興味を持つためにはまず、親も一緒になって取り組んで楽しむことがポイントになってきますよ。
これは子どもが小さければ小さいほどですね。
大好きなお母さん(お父さん)と一緒に遊んで楽しいと感じることが出来て、初めて子どももリトミックやリズム体操、リズム遊びを「楽しい」「もっとやってみたい」という気持ちになれますよ。
子どもの能力を高めたいと躍起になる前に、子どもと一緒になって楽しむ気持ちを前提に持って、一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか?
親も体を動かし一緒に笑い合うことで、子育てで溜まったストレスを発散させて気持ちを爽快にさせることができますよ。
まずはその場にいて、色々な曲を聴くだけでも十分!
リトミックをして楽しく表現しているその空間に徐々に慣れていって、最後にリトミックって楽しい!と思ってくれたらいいですよね。
笑顔で楽しくリトミックすることで、リトミックの効果は最大限についてくると思います!
付き添い参加できるのなら、大人も一緒にめいっぱい五感を使ってリトミック表現してみてください。