読書の速度が遅すぎて困る。早く読める方法はあるの?

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読書の速度が遅すぎて困る。早く読める方法はあるの?

読書は人生を豊かにしてくれる、もっとも手軽な趣味です。

最近では「青空文庫」や「Kindle」などで、著作期限切れの小説が無料で読めますよね。

本が大好きな私としてはとても嬉しいことです。
でも、自分一人が本を読んでる分には構いませんが、学校などで課題図書が出た時や黙読をする時に、人の読むスピードが気になった経験はありませんか?

速い人に比べて、読書スピードが遅いとなんだか迷惑をかけているような気分になりますよね。

本を読むにあたって、どのくらいのスピードが平均なのか、速く読める方法は無いのか?

一緒に学んでいきましょう。

目次

1時間何ページが普通の速度?

1時間の平均読書スピード
さて、日本人は読書のスピードはどのくらいが平均なのでしょうか。

日本人の3人に2人は、1分で400字~800字を読むと言われています。

平均にすると毎分600字ということになります。

なので1時間あたり3万6千字になるんですね。

原稿用紙に換算すると90枚分です。
新潮文庫の段組では1ページあたり18行×41文字となっているので、738文字。
文庫本換算だと約49ページを1時間で読み進めるのが平均的な速度といえそうです。

ここで、あなたの読書スピードを計算して見ましょう。
ストップウォッチで、600文字の文章をどのくらい時間をかけて読むか計算して見てください。
できれば、「新聞の記事」、「学術書」、「娯楽小説」など、たくさんのジャンルで平均を出すと良いです。

600字÷あなたの読書時間(秒)×60が毎分の読書スピードになります。
これに60をさらにかければ、1時間あたりの読書スピードがわかります。

遅くなるのはなぜ?

遅くなるのはなぜ?
本を読む上で、スピードに速い遅いがあるのはある程度は仕方ありません。
でも、個性などという説明がつかないほど遅い!という人もいるかもしれません。
そういう方は、「読書はこうあるべき」という固定観念に縛られているのかもしれません。

もしかして、「熟読」しなければならないと思い込んでいませんか?

読書をするにあたって、どうせ読むならしっかりと読み込んで全てを覚えたい!という考え。
もしかしたらこれが遅くなる原因かもしれません。

そもそも、読書に対する気持ちは人それぞれです。
数を読むことを目的にしている人もいれば、一冊を何度も読み返す人もいます。
読書に対して身構えすぎると、本を読むスピードが遅くなりがちです。

特に「熟読」したい、という気構えで読むと、「覚えよう」という気持ちが先に立って、なかなかページが進みません。
読書のスピードが速い人というのは、そういう気構えから解放された人なのです。

遅いとやっぱり損?

読書速度が遅いと損?
かといって、遅いのが全て悪い、というものでもありません。
本を読むのが遅くても、その分だけ想像力が鍛えられるという利点もあります。

特にファンタジー小説などでは「行間を読む」というのが重要になり、さらに描写を読み込んでいくことによって世界を頭の中に構築していくのですから、「想像力」というのはとても大事です。
それが鍛えられるというのは、大変なメリットです。

もちろん本を読むスピードが遅いのにはデメリットもあります。

AさんとBさんがいるとしましょう。
AさんはBさんの倍のスピードで本が読めるとします。
そうなるとAさんはBさんの2倍の本が読めるわけですよね。
Bさんの半分の時間で読書を終えられるともいえます。
空いた時間を有効活用することもできますし、読むスピードが速いということは時間を好きなように使えるということでもあります。

それを損と考えるのならば、BさんはAさんより損をしているということになりますね。

<速く読むコツはあるの?

速く読むコツ
BさんよりAさんのようになりたい!と思うのであれば、速く読むコツを理解することが大事です。

これは私の今までの読書経験からも言えるのですが、どんなに素敵な本でも、一文を間違いなくすっかり覚えておける、というのはそうそうありません。

例えば村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」が私は大好きですが、その中で印象的な一文を忠実に再現しろと言われても、間違う自信があります。

でも、「印象に残った言い回し」や「単語」などなら、すらすらと言えるんですよね。
長編になればなるほどこの傾向は顕著で、「この展開が良かった!」「あれが伏線だったとは!」などの感想は言えても、読み終わった直後だとしても「じゃあこの紙に良かったところを間違えず書きなさい」と言われたら身がすくんでしまいます。

つまり、人間の脳は完璧な「記録」はできないのです。

「記憶」…場面展開や短いセンテンスのセリフなどは言えても、「記録」、それを事細かに再現する文章というのはなかなか書き出せません。

ということは、大まかな内容さえ把握していれば、細かい部分は脳が補完してくれるので、無理に覚えなくてもいいということ。
そうしようともできないのが人間です。
つまり、読書が遅い人間は、

「1回で全てを覚えようとしてしまう」
「読書するという体験に期待を持ちすぎている」

と言えます。

確かに初めて読む本にはワクワクして期待を持ってしまいますが、期待が大きければ大きいほど気負いもしてしまいます。
「本を読む」という行為自体に期待を持ちすぎないで臨めば、ある程度スピードを持って読書することができます。

本の選び方で読み終わる時間が変わる!

本の選び方で読み終わる時間が変わる
では、速く読める本とそうでない本の違いはどこでしょうか?

まず、自分が興味があることかそうでないかでスピードは大きく変わります。
先の展開が気になるものならば、文章の流れにのってぐいぐいと読み進めることができます。
しかし、教科書の問題文や学術書などになると、いくら興味を持っていても専門的な用語が増えるので、読む速度は自然に遅くなります。

速く読み終わる本とは、「普遍的な言葉で書かれている」、「興味を持って読み進められる」本だと言えます。
詩集やアンソロジーなどは、この定義に当てはまります。

自分の興味のある分野の本を1冊買ってみてください。
それを読んだ時なら、きっといつもより速く読み終わるはずです。

ちょっと一息:かわいいブックマーカーの世界

ちょっと一息

さて、本を読み進める上で手にしておきたいのが「しおり(ブックマーカー)」です。
最近の文庫には映画の宣伝のしおりなどがついてきますが、どうせならかわいいものを使って楽しく読み進めたいですよね。
しおりを使うのが楽しくて、私は数冊同時に読み進めたりします。

私がおすすめしたいしおりは、布製のもの。
金属製や木製のものは本を痛める可能性がありますし、革製はちょっとお高い…紙製だと薄くて頼りない…。
そこで布製のしおりです。

伊勢木綿などのお店が出しているしおりは、丈夫な上に本を傷つけません。
折り曲げて挟んでしまっても、すぐに元どおりになります。

もちろん自分の好きな柄のはぎれでしおりを作るのも楽しいです。
厚紙を好みの大きさに切り、それを覆うように布用ボンドではぎれを貼り付けます。
乾いたら余分な部分をカットして、端の部分をほつれてこないように布製ボンドを塗って乾かします。

あとは穴を開けてリボンを通してもいいですし、そのまま使用しても大丈夫です。

お手軽に作れて可愛いので、私もたまに手頃なはぎれを見つけると作っています。

本を読むのも、可愛い小物が手元にあるだけで楽しくなりますよ。