梅干しに白や黒のふわふわが!これってカビ?対処法や防ぐ方法を教えて!
梅干しを漬けている時、干している時、そして、できあがった後。ふと気づくと、白や黒のふわふわしたものがついていたことはありませんか?
それは、カビなのか、なんなのか。もしカビだったら、どうすればいいのか。
カビか否かの判断方法や、対処法、予防法について書いていきます。
これで、不安は払拭されるはず。
きちんと対策をして、カビに困らない梅干し作りをしましょう。
目次
白や黒のふわふわ。これはカビ?
梅を梅酢に漬けている間、梅酢の中に白いふわふわしたものが出てきてしまった、なんてことはありませんか。これは、カビである可能性が高いです。しかし、結晶化した塩が白い浮遊物となる場合もあるので、白いものがカビなのか、塩なのか、ということを判断しなければなりません。
焼酎(35度以上)で消毒したお玉を使って白いものをすくい、お湯に入れてみてください。塩ならば溶け、溶けなければ、それはカビです。
天日干しの時や、干し終わった後の梅に白いものがついている場合は、乾燥によって浮いてきた塩の結晶であることが多いので、慌てず確認しましょう。
塩の結晶は、ツブツブ、ザラザラ、キラキラしています。もしくは粉を吹いたように見えることも。この場合も、白いものがお湯に溶けるかどうかで確認。
黒いふわふわが混ざっている場合、それは黒カビです。
食べたら毒?
すべてのカビが有毒というわけではないですし、カビを食べたからといって、ほとんどの場合、すぐに症状が出るわけではありません。でも、人体に危険なカビがあることも事実です。
その見極めを素人がすることはおすすめできません。
ですから、梅干しのカビは口にしない方がよいのです。カビか塩かの確認のために、ちょっぴりなめてみる、なんてことは絶対にダメ。
昔は、カビの部分だけ取り除けば大丈夫と言われていましたし、実際、パンや餅もそのようにして食べていたものです。
しかし、現在では、カビの点が一つ表面化しただけでも、その食品は全捨てしなければならないと言われるようになりました。ほんの少しのカビが出た時点で、内部はカビに浸食されていることがわかったからです。
また、煮沸消毒などの熱では根絶できないカビもあるとのこと。カビがついた梅干しは食べない、と考えた方が無難でしょう。
では、もし、カビがついてしまったらどうすればいいでしょうか。
梅酢のカビ
見てそれと分かるくらいカビが出てきていたら、潔くあきらめましょう。梅の中にもカビが浸食しているかもしれません。
梅酢に少しカビが見られる、ということであれば、以下のように対処します。
- 全ての梅を取り出す
- 丁寧に焼酎(35度以上)で洗う
- カビの浮いた梅酢は捨てる
- 瓶や道具類を洗浄・乾燥・消毒
- 保存瓶に市販の白梅酢を注ぎ、洗った梅を漬け直す
一方で、梅酢は捨てないという意見もあり、カビを取り除く方法で対処する場合は次の通りです。
- 消毒したお玉で梅酢のカビをすくい取る
- コーヒーフィルターで梅酢を漉す
- 煮沸消毒
- 冷ます
- 消毒済みの瓶で梅を漬け直す
ただし、煮沸で根絶できないカビがある以上、この方法はおすすめできません。
干している時または保存時にカビ
干している時につく白いものは、塩であることが多いので、まずはお湯に溶けるかどうかで確認してください。
その上で、少しでもカビがついている梅は全て捨て、接していた梅は焼酎で洗い、干しなおしましょう。
なぜカビがつくの?
梅干しにカビがつく原因はいくつかあります。
処理する前の梅そのものが傷んでいたり、虫食いがある。
漬ける時の道具や手が、清潔でない。雑菌が繁殖してカビの原因に。
塩分控えめ。
昔、梅干しは、保存が目的であったため、高い塩分濃度で作るものでした。ところが、最近は、保存を目的とする必要がなくなり、健康のことを考えて、市販の梅干しでも塩分控えめ。健康的ですが、保存能力が低くなるというリスクは避けられません。
梅酢の量が十分でない。
梅が梅酢に浸っていないと、空気に触れている部分からカビがつきやすくなります。
雨に当たった。
天日干しの際、雨に当たったことがカビの原因になる場合も。空模様には常に気を配りましょう。
カビがつかないようにするには?
梅の選別
傷んだもの、虫食いのあるものは取り除いてください。
下処理
梅を傷つけないよう優しく洗ったら、しっかり水分を拭き、竹串でなり口のヘタを取ります。
残った水分や、なり口部分からカビがつくことも多いので、この作業は丁寧に。ヘタは取れなければ無理せずそのままで問題ありません。
道具や手の殺菌、消毒
保存瓶やザルなどの道具は、きれいに洗って熱湯をかけ、完全に乾かし、35度以上の焼酎で消毒。手も丁寧に洗い、焼酎で消毒。
十分な塩分濃度
塩分濃度はむやみに低くせず、18%以上に。具体的には、梅1Kgに対して粗塩180g~200gが基本です。
梅酢を上がらせる
梅酢を上げるには、熟した梅であること、十分な塩分濃度と重石が必要。熟していない梅は、追熟。重石は、梅と同じ重さから2倍程度の重さが目安。軽すぎると梅酢が上がりにくく、重すぎると梅が潰れてしまう場合も。
梅酢が上がったら、梅が顔を出すことのないよう、完全に浸らせます。
もしどうしても足りなければ、白梅酢だけ販売されているので、市販の白梅酢を追加しましょう。
天気
こまめに天気予報をチェックし、干している間は目を離さないことも大切です。
雨に濡れてしまったら、梅を35%以上の焼酎で洗い、一度梅酢に戻して、2~3日漬け込んだ後、改めて天日干しを。
以上が、カビをつかせないための対策です。これだけ挙げると、大変なように思いますが、梅干し作りには必要な過程で、特別なことではありません。
一つ一つの工程を丁寧に行っていけば、大丈夫。
梅干とカビにまつわる迷信
ここまで梅干しのカビについて書いてきましたが、どうも、梅干しのカビは縁起が悪いようで。
梅干しにカビがつくと、不吉なことが起こると言われているのです。
がんばって漬け始めた梅干しにカビがついて、がっかりしているのに、追い打ちをかけるように「縁起が悪い」なんて、ひどい話です。
これは、梅干しが本来、殺菌・解毒作用を持ち、保存食として作られていたからこその言い伝え。カビがつくはずのないものにカビがついた、それはとんでもない異変で、
なにか悪いことが起こる前触れだと考えられたことによるものだと思われます。
迷信は、知ってしまうとなんとなく気になるけれど、カビがつくにはそれなりの原因があるということが分かれば、気にする必要はありません。
もっとも、カビがついてしまったことそのものが非常に残念で、一大事なのですが。
丁寧な作業がカビ予防への第一歩!
梅仕事にカビの心配はつきもの。でも、必要な作業を丁寧にやっていきさえすれば、防ぐことができます。
そのためには、十分な時間を確保することも大切ですよね。
私は、保存瓶を洗って乾かす日から、梅干しの作業日は「梅の日」と決め、スケジュール帳に書き込んでしまいます。梅に専念する日、というわけです。
焦らず、ゆったりと梅干し作りを楽しんでください。