読書感想文が書けない!だって書き方教わってないし。なら教えましょう!(小学生編)
国語の授業で「これ嫌い」と子供に言われがちなのが「読書感想文」。
「作文」も「読書感想文」も、正しい書き方というものがまだ決まっておらず、子供のうちはどうやって書けば先生のマルをもらえるのかわからず、手探り状態といってもいいですよね。
特に先生が好みのはっきりしているひとだと、きちんと書いたのにはなまるがもらえなかったなんてこともあります。
ここでは「何を書けばいいのか」ということに重点を置いて、小学生向けの読書感想文の書き方のコツをお教えしますね!
目次
そもそも何を書けばいいの?
小学生の読書感想文に求められているのは、簡単な要素です。
「あらすじ」と「それを読んでどう思ったか」、そして「本を読んだことでどうなりたい(どうしたい)か」という三点です。
先生の方では「読解力」と「感想」、「応用力」が読みたいわけです。
なので、それを押さえたものを書きます。
「あらすじ」で「読解力」を、「それを読んでどう思ったか」で「感想」、つまりその子の個性を、「本を読んだことでどうなりたいか」で「社会への適応力、応用力」をみます。
この三つをバランスよく配置すれば、先生からの得点が高い読書感想文が書けるわけです。
書き出すまでの準備
「何を書くか」はわかっていただけたと思うのですが、いきなり書き始めたらペース配分などで失敗します。
雑音の多い場所でも、書くのに苦労します。
理想的な環境としては、ホワイトノイズ(うるさくない生活音や、波の音、木ずれの音など)が流れる中で、集中して書くことが一番です。
400字詰め原稿用紙2枚に書くのだとしたら、
- あらすじに300文字
- 感想に250文字
- どうなりたいかに250文字
程度の配分で書くのがいちばんです。
あらすじを全て書き込む必要はありません。
先生は「きちんと一冊読んだか」「どのように理解しているか」を見ます。
なので、自分の頭の中で話がまとめられるのならば、後半のあらすじを書かなくても大丈夫です。
文字数の配分を考えて、とりかかりましょう。
書き出し
書き出しは、1行だけ感想をいれることをおすすめします。
例えば「ハリー・ポッターシリーズ」なら「魔法の世界は素晴らしいけど、ちょっと怖い。」や、「ダレン・シャンシリーズ」なら「僕なら友人のために、吸血鬼になれるだろうか?」、「ぼくは王さま」シリーズなら「王さまって、面白い!」など、1行だけ素直な感想を入れましょう。
そうすることで、ぐっと読書感想文の世界に引き込むことができます。
「おや?この子はなにを読んでこの感想を持ったんだろう?」と先生の興味を引きます。
世界に引き込むことができれば、あとは何を書いても多めに見てもらえます。
簡単に言うと、キャッチフレーズのようなものをいれるといいのです。
旅行記を読んだのなら「そうだ、◯◯へ行こう。」でもいいですし、人目をひくものならなんでもいいです。
そのように短くまとめることが難しいなら、「僕は◯◯と思いました。」などの言い回しは使わず、
「◯◯だったとはびっくりした。」などの感情を入れた一文を使いましょう。
本文
本文は、「あらすじ」をまずまとめます。
2~300程度の文字数でまとめるのがベストです。
あらすじをまとめるポイントは、「時系列順」に「何が起きたか」「どうやって解決したか」を書くことです。
例えば「裸の王様」の場合、
「王様は国で一番えらくて、誰も王様に逆らえなかった」という「事前の情報」、
「ある日仕立て屋がやってきて、王様に“バカには見えない服”を売りつける。“バカには見えない服”を王様は喜んで着たけれど、これは仕立て屋が“着せているフリ”をしただけで、そんな服は存在しない」という「原因」、
「でもみんなはバカと思われたくないから王様に“似合います”などのおべっかをつかう」という「騒動の発展理由」、
「子供が“王様はなんで裸なの?”と言うことで全員が騙されたと気づく」という「結果」
を、順番に並べることになります。
この「裸の王様」の場合、「結果」を書かなくても大体の想像はつくので、「“バカには見えない服”を着たと思い込んでいるみんなは、バカだと思われるのが恥ずかしいので黙っていたら、王様がパレードをすると言い出し…」など、あとを引く形であらすじを終わらせてもいいです。
次に、感想を書きます。
本を読んでどんな感想を抱いたのかを率直に書くことがベストです。
裸の王様だったら「みんなバカに思われたくなかったから、王様に誰も“裸ですよ”って教えてあげなかった。それは王様がかわいそうだ」でもいいし、「子供の声を素直に聞ける王様は、本当にえらい人だった」でもいいし、とにかく本を読んで一番最初に出た感想を膨らましていくのが良いです。
ここまでが本文です。
終わり方、まとめ
終わり方やまとめには、「この本を読んでこれからどうしたいか、どうなりたいか」を持ってくるといいでしょう。
先ほどから例に挙げている「裸の王様」ならば、「私は王様のように、最後には真実に気づける素直な人間になりたい」でもいいですし、「王様は周りが全員嘘つきで、悲しくならなかったのだろうか。僕は友達とはそんな関係になりたくない。」でもいいです。
対象の本を読んだことによって、「その後自分はどうしたいか」をきちんと書ければ100点満点です。
タイトルのつけ方
タイトルは「わかりやすいもの」を選びましょう。
「◯◯を読んで」「◯◯の世界」でもいいのですが、それよりも心情を揺さぶるようなものがベストです。
「ハリー・ポッターシリーズ」でしたら「秘密の入り口を通ってたどり着いた学校にて」や、「ぼくは王さまシリーズ」でしたら「王さまの1日は今日も大変!」、わかったさんシリーズでしたら「お菓子の世界へようこそ!」など、これも「キャッチフレーズ」を意識して書きましょう。
サンプル
先ほどから挙げている「裸の王様」でサンプルの読書感想文を書きましたので、参考にしてください。
<タイトル>
「本音で話すことの大事さに気づく話(裸の王様)」
<書き出し>
王様は本当は、さみしかったのかもしれない。
<本文>
なぜこんなことを考えたかと言うと、「裸の王様」では、子供以外に王様を「裸だ」と言ってくれる人がいなかったからだ。
王様はえらくて、誰も逆らうことができないほどの力をもっている。
もちろんお金もたくさんもっている。
そんな王様に逆らう人はひとりもおらず、王様はいつもえらい。
そんな王様を「だましてやろう」と、仕立て屋がやってくる。
その仕立て屋は「バカには見えない服」だといって、なんにもないのに布地をうやうやしく取り出すふりをして、王様に「お似合いです」という。
王様もバカだと思われたくないから、その服が見えているふりをして服を仕立てる。
家来も王様が裸なことには気づいているけれど、服をきているんだと思い込もうとする。
その服が仕立て上がった、ということでパレードをするが、王様はそれを見ていた子供に「王様はなんで裸なの?」と聞かれてしまうのである。
この作品に出てくる人びとの感情はさまざまだ。
「バカに思われたくない」、「王様に逆らえない」、という気持ち。
これはみんなが持っている気持ちだと思う。
でも、間違ったことを「間違っている」と言えない生活は、とてもかなしいものではないだろうか。
王様は子供の一言で、それに気づいた。
家来も、王様をひとりぼっちにしていたことに気づいた。
きっとこの後、王様とその家来たちは、仲良く嘘つきの仕立て屋をどうとっちめるか相談するのだろう。
<まとめ>
私も、本音で話せる友だちが欲しい。
裸の時に「裸だよ」と教えてくれる友だちがいたら、きっと親友になれると思う。
もし間違いを指摘されて私がちょっと怒ったとしても、また友だちがちょっと機嫌が悪くなったとしても、それでも「ああ、間違ってたね、教えてくれてありがとう」ができる関係なら、きっと楽しく人生を過ごすことができると思う。
たくさんの友だちと、そんな関係になれるように、王様みたいにならないように努力したいと思う。