島根県にある世界一の庭園って?

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島根県にある世界一の庭園って?

島根県に世界一の日本庭園があるって聞いたことはありませんか?
本当にあるんです。
しかも一度だけではありません。16年連続世界一の日本庭園として、世界中から大変高い評価を得ているんです。
ではその庭園は一体どんな庭園で何が世界一なのか、どんなところが見所なのかについて、詳しくお話していきたいと思います。
ぜひ島根県へ足を運ぼうと考えている方は参考にしてみてくださいね!

目次

何という庭園?

島根県には世界一とされる庭園があります。
それは、「足立美術館」です。

「庭園なのに美術館?」と驚かれる方も多いかと思います。
実はこの美術館を創設した足立全康氏は、「日本庭園と日本画の調和」ということにこだわりました。
美術館の中から眺める日本庭園は、まるで日本画のように美しいです。私も初めて見た時は高校生の時でしたが、圧倒されましたよ。

どこにあるの?

足立美術館は、島根県安来市にあります。
横長の形をしている島根県の中でも安来市は、松江市の東に位置します。鳥取県に非常に近い場所です。
だから島根県内から足立美術館へ行こうと思う場合でも、ちょっと時間がかかります。

この足立美術館の最寄りの駅はJR安来駅なのですが、JR安来駅から足立美術館まで無料のシャトルバスで20分です。
JR松江駅からJR安来駅まで電車で24分かかり、JR出雲駅からJR安来駅まで特急で45分かかりますよ。
ちなみに、JR米子駅からJR安来駅までは9分で着いちゃいます。

①高速バスを利用して行く

足立美術館の最寄り駅であるJR安来駅は、JR米子駅の隣の駅です。
だから高速バスを使って足立美術館まで行こうと思えば、JR米子駅まで高速バスを使って移動して、JR米子駅からとなりのJR安来駅まで行きましょう。
東京・大阪・京都・岡山・広島・福岡各方面から、JR米子駅までの高速バスが出ているのでチェックしてみてくださいね。
あとはJR安来駅より無料のシャトルバスが出ていますよ!

②自家用車を利用して行く

自家用車を利用して足立美術館へ行く場合は、東京方面から・広島方面から・福岡方面からいずれも「山陰自動車道の安来IC」で高速道路を降りれば、足立美術館まで約10分(5キロ)ほどで到着します。

③空港経由で行く

足立美術館の最寄り空港は、米子空港と出雲空港ですが、いずれも空港連絡バスに乗って、米子空港の場合はJR米子駅まで、出雲空港の場合はJR松江駅まで移動します。あとはそれぞれの駅からJR安来駅まで電車移動して、無料シャトルバスを利用して到着することができますよ!

どうして世界一

足立美術館には、アメリカ日本庭園専門誌(The Journal of Japanese Gardening)の日本庭園ランキングで16年連続ナンバーワンというすごい日本庭園があります。
数ある日本庭園の中で、どうして足立美術館が世界一なのか不思議に思われる方も多いのではないでしょうか。

もちろん庭園の美しさ・日本画との調和は素晴らしいのですが、世界一と評価されるには別の理由もあるんです。
それは、足立美術館の“おもてなしの心”があふれる、庭園の維持管理です。
足立美術館の日本庭園は5万坪ととても広いですが、細部まで維持管理が行き届いているという点が世界一の評価につながっているんです。

足立美術館では、専属の庭師と足立美術館のスタッフ総出で開館までの1時間ほど、毎日掃除や手入れが行われます。
365日毎日、雨の日でも欠かさず行われるんです。
これは、創始者である足立全泰氏の「庭園もまた一幅の絵画である」という信念を受け継いでいる証でもありますね。
足立美術館は、美術館の中から見る日本庭園を、全て絵画の一部として鑑賞できるという大きな特徴を持っています。
だから、その絵画の一部でもある日本庭園は、いつでも美しく手入れ・管理されているというのが当たり前の状態でなければならないというわけです。
この当たり前を作り出す努力は並大抵のことではなく、“おもてなしの心”とプロ意識がなせる素晴らしい技術と言えます。世界一というのも納得ですね。

特に、足立美術館には800本もの赤松がありますが、その手入れは一つ一つ古葉を手作業で摘み落とし、樹形を整え竹ほうきでこすって古皮を落とします。
状態の悪い木があれば、常時スペアの赤松があるので、交換するという徹底ぶりです。

また日本庭園に欠かせない苔も同じです。雨が降って雫によって穴が開かないよう、炭が埋め込まれ、状態の悪い苔に対しても常時スペアがあるので交換しているんですよ!もう脱帽ですよね。

ここが見どころ!

①生の掛け軸・生の額縁

足立美術館ならではの楽しみ方は、なんと言っても“生の額縁”です。
四季折々・日々刻々と変化する美しい日本庭園を、大きな窓の窓枠を額縁として、絵画にみたてて楽しむんです。

特に、「枯山水庭」は圧巻です。
高校生の時に初めて見た時は、あまりの美しさと壮大さにものすごく感動したことを今でも覚えています。

また、床の間をくりぬいて作られた“生の掛け軸”を見ることもできるのですが、「亀鶴の滝」が見事に収まりとても美しいです。
この生の掛け軸・生の額縁は季節によって日本庭園が見せる風景が全く違うことから、四季ごとに訪ねてみたくなりますよ。
本当に素晴らしいです。

②亀鶴の滝

足立美術館の敷地外に、人工的に作られた滝ですが、これは日本画の巨匠である横山大観の作品「那智乃滝」をイメージしています。
ここで見事なのが、足立美術館では敷地内の日本庭園だけではなく、敷地外の自然も庭の景色の一部になっているということです。
敷地外の山や断崖が日本庭園の奥行きの背景となり、更に迫力を増しているところを、ぜひ注目していただきたいですね。

③白砂青松庭

足立美術館の創始者である足立全康が特に力を入れて作ったとされる庭です。
日本画の巨匠である横山大観の作品「白砂青松」をモチーフにしていて、白砂の丘陵に大小の松が配置された庭園となっています。

④充実した横山大観コレクション

創始者の足立全康は、日本画の巨匠である横山大観の絵画を愛していたことで有名です。実は足立美術館は「大観美術館」と呼ばれるくらい、横山大観の作品がたくさんあるんですよ!
もちろん他の近代日本画コレクションも多数ありますので、一階の天然の絵画である日本庭園と併せて、二階の絵画もお楽しみくださいね。

とにかく人が多い!

足立美術館は日本庭園で世界一というだけあって、世界中から沢山の人たちがやってきます。だから、とにかく人が多いんです。
ゆっくり見たいという人は、平日の朝早い時間に行くとまだ人が少ない方なので、美しい日本庭園や絵画をゆったりと楽しむことができますよ!
特に開館直後の9時~10時が狙い目です。