梅干しを漬ける容器は何がいいの?重石は必要?
初めて梅干しを漬ける時、何よりも先に道具をそろえなくてはなりません。
梅干しの道具と言えば、壷や瓶(カメ)、重石、ざる…。でも普段、壷や瓶(カメ)、ましてや重石の登場機会なんてないですよね。
では、全て買いそろえなくてはいけないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
初めての梅干し作りならばなおのこと、手近な道具で漬けてみましょう。
壺や瓶(カメ)以外でも梅干しは漬けられるのか、重石はどうすればよいのか、そして重石の重さについても解説していきます。
目次
壷は必要?
梅干しと言えば、壷や瓶(カメ)に漬けられているイメージが強いと思います。
テレビなどでも、土間や床下から梅干しの壷がでてくるのを見かけますよね。
素材として陶製の壺は、塩分や酸に強く最適です。
壺を使うなら、食品用の陶製の壺を選びましょう。
しかし、梅干しを漬けるにあたって、必ずしも壷でなければいけないということはありません。
壺は重く、割れることもあります。そして現代、土間や床下がなく、風通しの良い保存場所もなく、壷を置く場所もないという家が多く、壷で梅干しを漬けるということが難しくもあります。
そのためでしょうか。壷を使わず、気軽に梅干しを漬けられる方法がたくさん紹介されています。
壷を使わなくても、梅干しは漬けられるのです。
プラスチックの容器でもいいの?
ホームセンターなどに行くと、漬け物用のプラスチックの容器が売られています。
ということは、プラスチックの容器でもいいということになりますが、大前提として、塩分や梅酢の酸に耐えうるものでなければなりません。
劣化しているものや、傷ついているもの、安価なバケツなどは使用すべきではないでしょう。
やはり、漬け物用が安心です。
漬け物用のポリ袋というものがありますので、容器の中にポリ袋を敷いて使うのもおすすめ。
また、少量漬けに、ポリプロピレン製の密閉容器を使うこともできます。
その他に使える容器は?
プラスチックの容器以外でも、梅干しを漬けることができます。
たとえば、ガラスびん。
果実酒用に売られているものが使いやすいでしょう。
ただし、遮光性がないので、冷暗所での保存が必要です。
また、もっと手軽に取りかかることができるのは、ポリ袋です。
食品用のポリ袋や、密閉式保存袋などを使うことができます。
何かにひっかけて破れる可能性があるので、ポリ袋は必ず2重から3重にしてください。
塩漬けの段階では、ポリ袋を平らな受け皿の中へ置いておけば、万が一梅酢がこぼれても安心。
受け皿は、酸に強い素材で、梅酢を受け止めることができる深さのものを用意しましょう。
絶対に使ってはいけないのが、金属製の容器。
本体がガラスでも、蓋が金属製のものは使うことができません。梅酢の酸で金属が溶け出します。
重石は絶対必要?
梅干しを漬ける際に必要な道具のひとつとして、重石があります。
基本的には、重石は必要です。
梅を漬ける時には、梅酢の上がり具合によって、重石の重さを調整することが必要。
重さの違う重石をいくつか用意しなければなりませんが、微調整のできるもので代用する方が効率的です。
水を入れたペットボトルは重さの調節がしやすくおすすめ。
500mlのペットボトル1本で500gと分かりやすくて便利です。
また、密閉式保存袋やポリ袋を二重にして、水を入れたものも使用できます。
容器に合わせた平らな板やバットなどにのせて、重さが均等にかかるようにしてください。
一方、重石をしなくてもよい場合もあります。
重石の役割は、梅酢を出させることと、梅を梅酢に浸らせること。
よく熟した梅を使い、正しい分量の粗塩をまぶすことにより、浸透圧で梅酢は自然に染み出してきます。
容器が完全に密閉されていて、容器ごと上下をひっくり返したり転がしたりし、梅酢を全体にいきわたらせることができるなら、重石はなくても問題ありません。
それでも梅酢がうまく上がってこない時には、重石が必要になります。
また、梅酢が上がった後も、梅が浮いて梅酢から顔を出すようなら、押さえておく程度に重石をした方がよいでしょう。
どのくらいの重石がいいの?
重石は、一般的に梅の重さの2倍程度と言われています。
しかし、気温や梅の熟し具合、塩分濃度により必要な重さは変わります。
梅酢の上がり具合を確認しながら、必要に応じて重さを増やしたり減らしたりしてください。
梅酢が上がらない時は、少しだけ重さをプラス。
梅がすっかりかぶるくらい梅酢が上がってきたら、梅が梅酢から出ない程度に押さえておくことができる程度まで軽くします。
重すぎると、梅がつぶれてしまう場合があるため、重ければよいというものでもありません。
梅干し作り、容器も気持ちも軽くてOK
梅酒を漬けるようになってから、ハードルが高いと感じていた梅干しも漬けたいと思い始めましたが、我が家には壷も重石もなければ、壷を置く場所もありません。
干す場所すら、あるようなないような。
ほとんどあきらめていた時に出会ったのが、密閉式保存袋で漬ける方法でした。
毎年いただく梅は、1kgほど。
漬ける量も少なくてすむこの方法は、私にぴったりでした。
初めて漬ける不安や心配はもちろんありました。
でも、失敗しても少量だと割り切れましたし、目の届くところに置き、毎日気軽に眺めて様子を確認できるのは、安心の材料になりました。
密閉式保存袋は透明なので、毎日梅酢が増えていくのがわかるのも、ワクワクして楽しいものです。
環境や梅の量に合った容器を選び、ストレスなく梅干し作りを楽しみましょう。