料理の「味がぼやける」「決まらない」「調える」、が分からない!結局どういうこと?
よくテレビの料理番組などで“料理の味がぼやける”とか“味が決まらない”“味を調える”といった言葉を聞きますが、なんとなくニュアンスは分かるという方もいれば、「結局どういう状態?」とモヤっとされる方も多いのではないでしょうか。
確かに、私も何の気なしに「味が決まらないなー」とか偉そうに言っちゃっていますが、よく考えるとこの遣い方は合っているのかなと、不安になってしまいました。
そこでこの記事では、味についての表現が一体どういった状況を指しているのかについて、解明していきたいと思います。
ちょっと知っておくと、今日からのお料理の仕上げがランクアップするかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
それでは1つずつみていきましょう!
目次
味がぼやけるとは?
私の中で“味がぼやける”というのは、味がはっきりしない状態です。
不味くはないんだけれど、なんだかちょっと足りないような、首をかしげるような味ですかね。
もう一味加えれば調うのにな、という一味が足らない“統一感のない味”といったところでしょうか。
我が家の場合、義母がお料理上手でいつも決まった味で塩味と甘味、旨み、酸味のバランスのいいお料理が良く出てきます。
それに比べると私の料理は味にばらつきがありますね。
塩分が多く主張しすぎていたり、なんだか一味足りず締まりのない「味がぼやけた状態」だったり、バッチリバランスよく出来たり、その日のよって違いがあったりします。
そういったことを考えても、“味がぼやける”というのは、味が濃いというよりは味が定まっていない一味足りない状態という感じですね。
決まらないってどういう状態?
味が決まらないというのは、味を整えるために調味料を足しても、「よし、これは美味しい」と思える状態にならない状態です。
「味を足してもなんだか違う・・・」
そんな経験、ありませんか?
どんどん味見をしていくと、次第に味が分からなくなってしまいますよね。
私も以前勤めていた会社で食事の味見をしていたら、結局今どんな味なのかさえも分からなくなってしまうことがしょっちゅうでした。
すると同僚から「テレビで味見は3回までって言ってたで」とアドバイスをもらったんです。
それから味見は3回までと決めていますが、どうしても定まらない場合は、口をゆすいで水を飲んで口やのどをリセットしてから、もう一度味見をするようにしています。
話はそれましたが、私の中で“味が決まらない状態”は調味料をプラスしても、なかなか「これだ」と思えるような納得した味にならないことを言いますよ。
味を調える、って何をするの?
味を調えるというのは、味が決まらないとか味がぼやけると感じる場合に、調味料を加えて調整することです。
味がぼやける場合、水分が多くて水っぽいとか、塩分が足りないといった場合がほとんどです。
だから、味を調える場合はお塩や醤油をプラスすることで調います。
甘味が足りないとか、味の統一感がないなと感じる場合は、最後にみりんやスパイス、薬味を加えることで調ったりもしますね。
調理の最後に醤油を入れると、大抵の料理はグッと引き締まることが多いですよ。
特に醤油は、調理の最後に加えることで風味もアップします。これは肉じゃがを例にとっても、もともと加える醤油の量の半分をあらかじめ入れて煮て、最後に醤油をプラスするといった方法をおすすめしているレシピがあったりします。
始めは薄味で、最後に醤油の風味と塩分をプラスして味を調えるということになりますね。
そんなに違いはないんじゃないかと思われるかもしれませんが、確かにちょっと風味がアップしてお醤油の良い香りがついた仕上がりになるのでおすすめですよ。
同様に、味噌も最後にプラスするのがおすすめの調味料です。
これは味噌が加熱によって風味を損なわれてしまうためです。味噌汁も最後に味噌を加えますし、味噌を加えても沸騰させないようにと言うのが鉄則ですよ。
調え方の段取りを教えて
味を調えるための段取りとして、まずは少し控え目の塩分で調理をする必要があります。
そして最後の最後に、塩分をプラスして整えていくのが一番理想的ですね。
私は結構ドバドバ調味料を入れてしまって濃いめに作ってから、「しまった」と思って薄めちゃうことが多いので、結局量が多くなったりなんだか水分の多いしまりのない味になりがちです。
時間にも気持ちにも余裕がある時には、始めから調理を薄めに設定しておき、最後に一気に味を調えるつもりで塩分を足すようにしていますが、そうするとスムーズに調味をすることが出来ますしおすすめですよ。
料理の方法によっては、加熱することで少しずつ水分が蒸発して味が濃くなってしまいます。だから、薄めに調理をして最後に味を調えるというのは理にかなっていますね。
調味料は加えるタイミングがそれぞれ違う
最後に甘味をプラスして味を調えたいという場合もあるかもしれませんが、基本的には砂糖は調理の最初に加えることで、食材に甘味をしみ込ませることが出来ます。
だから、お塩よりも先に加えなければ意味がありません。
これは、砂糖の分子が塩の分子よりも大きいため、先に塩を入れてしまうと、砂糖の分子は食材に入り込めなくなってしまうためです。
先にしっかり砂糖で味をしみ込ませてから塩を加えると、砂糖の分子の間に塩が入り込んで甘味と塩分をつけることが出来るというわけです。
ただ、最後に砂糖を絡めたり食材の表面に甘味をつけたい時、または汁物やソースに関しては砂糖を最後に加えても美味しく仕上がるので安心してくださいね。
よく、調味料を「さしすせそ」と言いますが、“さ”は砂糖、“し”は塩、“す”は酢、“せ”は醤油、“そ”は味噌とされています。
私が高校生の時、調理実習でこの「さしすせそ」の順番で調味料を加えるようにと言われたのをよく覚えていますが、調味料の特性から考えてもとても理にかなっています。
そういった面からも、最後に加えるのは醤油や味噌、塩であって、砂糖は出来るだけ始めに入れるようにすると、上手に味をつけていくことが出来ますよ!