知っておきたい口座の知識 普通・当座・振替・凍結を銀行員がわかりやすく解説!
銀行へ行ったり、ネットやニュースなどでなんだか見かけたことがあるけど、当座預金や振り替えってよくわからなかったりしますよね。
当座預金って普通預金とは何が違うんだろう、一体どんな口座なの?
という疑問や、
口座の凍結措置もニュースで流れていたりするけど、一般的には行われることはあるの?
など、様々な疑問をお持ちの方も多いはず。
普通預金や振替、凍結は直接自分に関わってくることもありますし、そうでなくても知っておくことで自分の引き出しが増えるので、この機会にぜひ知っておきましょう!
目次
普通と当座の違いとは?
まず、普通預金と当座預金の違いは様々ですが、一番大きくわかりやすいものだと、普通預金は個人から法人まで、誰でも開設することができる口座で、当座預金は基本的には法人のみが開設できる口座になっています。
普通預金の用途は給与の受け取りから公共料金の引き落とし、貯蓄など多岐にわたりますが、当座預金は基本的には事業資金の決済のために利用されます。
もちろん、引き落としや振り込みの受け取りもできます。
そして、先ほど法人が開設できる、といいましたが法人ならだれでも開設できるわけではありません。
当座預金は信用取引に当たる為、開設する際に銀行によって当座預金の必要性や有効性、信用情報などを審査されます。
ですので、個人の方で当座預金の開設というのはそもそも必要性がありませんし、開設を希望してもおそらくかなりの確率で謝絶されるでしょう。
また、当座預金が普通預金と異なるところは、普通預金は通帳が必ず発行されますが当座預金は通帳がありません。
じゃあ、どうやって口座から払い出しをするの?と思いますよね。
そのためには小切手を振り出して現金を引き出しします。
小切手や約束手形は法人同士の代金の支払いなどでも使用しますが、自分で自分の口座から現金を引き出す際にも小切手を使用します。
普通預金と当座預金の違いをみてみると、当座預金は普段の生活ではあまり関わってくることは少ないかもしれませんね。
口座振替ってどういうこと?
口座振替というのは、正式には口座自動振り替えといい、一般的には口座振替、自動引き落としといわれます。
複数の名称があってややこしいかもしれませんが、行われる処理は同じです。
公共料金の引き落としやクレジットカードの引き落とし、家賃の引き落としなどが口座振替で行われていますね。
他に、振替という手続きもあり、これは同一銀行の自分の口座への資金の移動を指します。
わかりやすく考えると、普通預金の通帳のお金で定期預金を作成した場合などですね。
また、銀行員同士では、お客さんが税金の支払いを口座からした場合でも「振替の手続きをした」という表現をします。
この場合は自分の口座への資金移動ではありませんが、銀行員の手続きの認識では、現金で税金の支払いを受け付けたわけではないので、このように言ったりすることもあります。
口座凍結はどんな場合におこるの?
最近では北朝鮮・イスラム国関連企業や団体、個人の口座が凍結措置にされたりとニュースでも流れていますね。
口座凍結はまず、犯罪や反社会勢力に利用されていると判断された場合におこります。
じゃあ、一般人には関係ないのね。と思いますが実はそうではありません。
一般人でも、犯罪に利用されている可能性がある、ということで口座が凍結さてしまっているケースもあるんです。
というのも、長く使ってない口座や通帳やキャッシュカードは無くしてしまったという場合や、作った通帳を売ってしまった、という場合にその危険性があります。
長く使ってない口座だし、多分通帳はやキャッシュカードは処分しただろう、と思っていても第三者にわたってしまい、詐欺の受取口座として利用されてしまう可能性もあります。
作った通帳を売りませんか?高額で買い取ります!などというもので口座を売ってしまうのは、そもそも名義貸しにあたり犯罪ですし、その口座も詐欺の受取口座として利用され可能性が大です。
銀行では、不審な口座の動きがないかチェックしており、疑わしい取引を見つけると金融庁や行政機関に届け出を行っています。
そうして、犯罪に利用されていると判断されれば該当口座はもちろん、他の口座も凍結されてしまことになるのです。
実際に自分は犯罪に加担していない、と思っていても不注意や名義貸しにより口座が凍結されてしまう事もある、ということは覚えておきましょう。
また、一番身近な、誰にでもある凍結の事例では口座の名義人が亡くなったときです。
本来であれば、通帳と印鑑があれば窓口では引き出しができますが、名義人が亡くなってしまい、口座が凍結されれば相続の手続きの対象となります。
金額によっては通帳と印鑑があれば凍結されずに引き出しができるケースもありますが、本当にごく少額の場合で銀行の出資がなく、普通預金のみしか持っていない場合などになり、かなり限定的になるので、大体の方は相続の手続きが必要になるでしょう。
凍結された口座はどうなるの?
口座凍結は文字通り、口座の動きを凍結させ、銀行取引全般を不可能にさせてしまいます。
つまり、先ほど述べたように通帳と印鑑があっても窓口で引き出しはできませんし、キャッシュカードを使ってATMで引き出しすることもできません。
更には口座の動きを止めてしまうので、口座振替も引き落としにはなりませんし、振り込みの受取口座としても利用できません。
もし、身に覚えがないのに自分の口座が犯罪への利用の可能性があり、口座凍結されてしまっているのが分かったときには、すぐに銀行へその旨を申し出て「権利行使の届け出」を行いましょう。
口座が凍結され、銀行が「この口座は詐欺の受取口座として利用されている」ということを確定する要件を認定し、一定期間が経過すると、自分の口座にもかかわらず権利を失効してしまいます。
そうなると口座のお金はあなたのものではなくなってしまい、詐欺の被害にあわれた方への救済金として利用されることになります。
被害にあわれた方は確かにかわいそうですし、その方たちに救済金が支払われるのは良いことだなとはわかりますが、自分が詐欺に加担したわけではないのに、自分のお金が救済金に当てられるなんて理不尽な!と思ってしまいますよね。
そんなことにならないように、日ごろから通帳やカードは無くさないようにしっかりと保管してくださいね。
いろんなことを自分には関係ないと思わないこと
普段何気なく見聞きしている口座に関する出来事ですが、知っているとニュースや手続きが分かりやすい、というだけでなく自分の利益を守ることにもつながりますね。
特に、今回のお話では犯罪利用による口座凍結の危険は意外と身近ということが分かりましたね。
A銀行のキャッシュカードを無くしたけど、普段使わないからいいや、と放っておき犯罪に利用されてしまって口座が凍結するとB銀行やC銀行にも影響が出てくるので、自分の身を守るためにも日ごろからいろんなことに関心を持つとよいですね。