長芋、山芋、自然薯、みんな同じ?違うもの?
ねばねばとろとろの食感が嬉しい「やまいも」。
栄養がたくさん含まれているので、是非とも積極的に食べたい食材ですよね。
そんな「やまいも」ですが、長芋、山芋、自然薯など種類がたくさんありますよね。
その違いってなんなんでしょうか?
一緒に学んで、豊かな食卓にしましょう!
目次
同じもの違うもの?
通常「やまいも」と書いたときは、長芋や山の芋、自然薯などを全部含んだ総称のことです。
厳密に言えば長芋や山の芋、自然薯はそれぞれ別の種類ということですね。
それらをまとめたときに「やまいも」と呼びます。
粘り気があって生で食べられる、という点では同じなのですが、分類上は別の種類なんですね。
それぞれの特徴は?
まず、手軽に手に入りやすい「長芋」について説明したいと思います。
長芋は、やまいもと呼ばれる作物の中で一番水気が多く、粘りが弱いです。
形はこん棒のような形状で、それらをカットしたものがスーパーなどで売られています。
比較的栽培がしやすく、一年で収穫できることから「一年芋」とも呼ばれます。
他にも地方によっては「伊勢芋」などと呼ぶこともあります。
日本全国どの地方でも手に入るのが魅力です。
次に、大和芋です。
これは関西でよく流通している品種で、げんこつのような丸い形をしています。
皮も黒っぽいです。
しかし白っぽい皮のものもあるので、判断基準は形になります。
栽培が比較的難しく、奈良県では古くから栽培されてきた伝統野菜のひとつで「大和野菜」に認定されています。
粘り気がかなり強く、水分も少なめです。
「つくね芋」と呼ばれることも多いです。
関東で「大和芋」と呼ばれているものは、正式には「イチョウ芋」と言います。
イチョウ芋は扁平な形をしていて、それがイチョウの葉によく似ています。
皮はベージュっぽい黄土色です。
最近は栽培技術の発達により、長芋と同じような形のものも増えています。
粘り気は長芋と大和芋の中間ぐらいです。
最後にメジャーなやまいもである自然薯です。
自然薯は山の芋の一種で、くねくねと曲がり細長い形をしています。
山の中に自生しているやまいもで、掘り出すのがとても難しいです。
ただし、最近は栽培ものも流通するようになりました。
天然物は見つけるのと掘り出すのに技術が必要なため、一本数千円することもあります。
粘りが大変強く、水分が少ないので味がとても濃いのが特徴です。
食べ方の違いは?
せっかくなので、種類が違ってもそれぞれ美味しく食べたいですよね。
長芋は水分が多くさっぱりしているので、サラダのトッピングや短冊に刻んでおひたしのようにして食べるのにとても向いています。
すりおろす時も、すり鉢で徹底的にすりおろすよりは、だいこんおろしのような感覚であらくすりおろすとサクサクした食感が楽しい一品になります。
大和芋とイチョウ芋は、火を通すともちもちの食感になるので、とろろだけでなく加熱して食べてみて食べるのにも向いています。
自然薯はもうどうやって食べても美味しいです。
火を通すとお餅のような食感になりますし、そのままとろろにしても味が豊かで飽きません。
値段も違うの?
さて、やまいもの値段の違いですが、これは断然自然薯が高い!ということにつきます。
天然の自然薯は大きいものだと一万円近くすることもあります。
しかし最近は栽培ものが流通しているので、徐々に価格は落ち着いていくと考えられています。
次にお高めなのが大和芋です。
流通する地域が限られている上に、栽培が難しいからです。
その次がイチョウ芋で、最後一番お安く手に入るのが長芋ということになります。
長芋は大和芋やイチョウ芋に比べてカロリーが少なく、糖質が低めです。
大和芋が100g120kcalのところ、長芋は65kcal。
糖質は100gあたり大和芋が25gで長芋が13gです。
栄養素に大きな差はないので、スーパーで気軽に手に入る長芋で充分とも言えます。
おいしい調理法
すりおろしたり細かく切るだけで美味しくいただけるやまいもですが、ここで加熱調理のレシピをいくつかのせておきますね。
どれもとても美味しいので、是非チャレンジしてみてください。
<長芋としめじのバター醤油炒め>
長芋50g
しめじ20g
バター小さじ1
醤油小さじ1
1.フライパンを熱し、バターを溶かします。
2.輪切りにし皮をむいてアクを抜いた長芋を入れ、両面をこんがり焼きます。
3.しめじを加えて炒め、醤油を鍋肌から入れて味をなじませます。
サクサクホクホクとした食感が楽しい一品です。
ご飯のおかずにぴったりですし、バターの香りがして美味しいですよ。
<大和芋の磯辺揚げ>
大和芋200g
のり大2~3枚
塩小さじ1/2
みりん小さじ2
わさび小さじ1/2~
1.大和芋は皮をむいてから酢水にさらしてアクを抜き、すりおろしておきます。
2.大和芋に塩、みりん、わさびを混ぜ合わせます。
3.のりを八つ切りにして、2を乗せてくるくる巻いておきます。
4.170度の油でカラッと揚げます。
わさびの風味がたまらない一品です。
のりが香ばしく、大和芋はふわふわに仕上がります。
おつまみなどにもむいている一皿です。
<長芋のフライドポテト>
長芋適量
小麦粉適量
お好きな油適量
塩適量
1.長いもを拍子木切りにして、酢水につけてアクを抜きます。酢水からあげる時に表面のぬめりを洗い流しておきます。
2.水をよく切り、ペーパーで水分を拭き取ったら表面に小麦粉をまぶします。
3.フライパンに5mm~1cmぐらいの油をひいて、170度ぐらいに温まったら長芋を入れて表面がカリッとなるまで揚げます。
4.塩を振って完成です。
これは一度試していただきたい!
サクサクホクホクで、ジャガイモのフライドポテトと一味も二味も違います!
お好みでコンソメ顆粒や青のり、粉チーズなどをかけても美味しいです。
<山芋と豆腐のふわふわ焼き>
山芋150g
絹ごし豆腐150g
卵1個
めんつゆ(3倍濃縮)大さじ1.5
チーズ60g
1.山芋は皮をむき、アク抜きをしてボウルにすりおろしておきます。
2.山芋の入っているボウルに絹ごし豆腐と卵を加え、泡立て器でよく混ぜ合わせます。
3.全体がしっかりと混ざったらめんつゆを加えてまた混ぜ、耐熱容器にうつします。
4.電子レンジ600Wで2分加熱したら、チーズをまんべんなく散らします。
5.オーブントースターで焦げ目がつくまで焼いてできあがりです。
ふわふわ、とろとろの食感がたまらない一皿です。
アツアツだとチーズととろろが伸びて見た目もグッド!
低糖質なのでダイエット食にもむいています。
混ぜる時に豆腐をしっかり崩さなくても、形が残っていても美味しく出来上がるのが嬉しいポイント。
<さっぱり山芋ときゅうりの海苔和え>
山芋6センチ程度
きゅうり1本
のり大1枚
ポン酢大さじ2
ごま油小さじ1
1.山芋ときゅうりはマッチ棒ぐらいの細さに切っておきます。
2.のりは2ミリ幅ぐらいに切ります。
3.1と2をボウルに入れて、ポン酢とごま油を加えて混ぜれば出来上がりです。
食欲がない時にもするすると食べられる一皿です。
のりとごま油のいい香りがたまりません。
調理をする際に、色が変化しないように、切った山芋や長芋は酢水につけるのを忘れないようにしましょう。
アクが抜けて、白く綺麗に仕上がります。
また、すりおろした時に手がかゆい!という時も、お酢を含んだ水で洗い流すと痒みがおさまります。
痒みの原因はシュウ酸カルシウムの結晶。お酢がその結晶を溶かしてくれるんですね。
上手に調理して美味しく食卓を彩りましょう。