介護の共依存で共倒れにならないためには?解決法とは?

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介護の共依存で共倒れにならないためには?解決法とは?

今の日本は超高齢化社会です。

身の回りで介護をしている方はいますか?

介護を仕事にしているかた、家族の介護をしている方などたくさんの介護の形態があると思います。

その中でも陥りやすいのが共依存。

共依存とは、介護される側が介護をする人を必要とし、逆に介護をする側も必要とされることに無意識に自己の存在を見出し、相手をコントロールして望む行動をとらせることで自分の心を保とうとする関係です。

簡単にいえば、お互いに依存しあっている状況です。

共依存になると色々問題が出てきます。

目次

共依存になりやすいケース

依存症になりやすいケース

介護職は共依存になりやすいといわれています。

共依存になりやすいのは、困っている人を助けたい、何かの役に立ちたいという気持ちが強い方です。

例えば、着替えに時間がかかる利用者がいたとします。

ヘルパーはそれを見て大変だなと思い手を貸してしまいます。

それを繰り返していくうちに利用者は「何もしなくても手伝ってくれる」、ヘルパーは「私がいないと、この方は着替えることができない」と思うようになっていきます。

これで共依存の出来上がりです。

介護は障がいのある方や高齢の方の日常生活での自立をめざして行うもの、という大前提があります。

ですが、介護で手伝うことが当たり前になっていくと、どこまで手伝えばいいのか境界線がわからなくなり結局、過剰な手助けをしてしまいがちです。

最初は「ありがとう、あなたがいてくれて助かるわ」といわれ、単純にうれしい気持ちから多くの共依存は始まっていくのです。

解決方法

解決方法
共依存だと自分で気づくのは難しいことです。

でも、予防することは気づくよりは簡単かもしれません。

まず、境界線をはっきりと決めましょう。

これが一番大事になってきます。

被援助者がどこまで自分でできるのか、何が出来そうなのか、次の目標に向けて何を助ければいいのか、考える必要があります。

ですが、突き放しすぎてはいけません。

ご自分でやってみてといわれるとたいていの場合抵抗します。

そこで、「ちゃんと私はいます、助けますよ」と伝えることが第一歩です。

私の経験の一例ですが、施設で働いていたころ、足腰が弱くなり自分で立てはするものの長くは続かずに車いすでの生活を送っていたおばあちゃんがいました。

この方はすごく依存の強い方で、全部ヘルパーに手助けを求めていました。
もちろんご自分でできることも。

トイレに行くと柵につかまり立てるはずがそこも全介助。
動いていただけなかったのです。

ヘルパーで話し合い、まず声かけをすることにしました。

「今日の調子はいかがですか?調子が良かったら少し私と立つ練習をしてみませんか?」

トイレでは「少しだけ腰を浮かせていただけるとすごく助かります。私もお手伝いしますのでお願いできますか?」と、時間をかけて少しずつ立っていただけるようになりました。

腰を上げてくれたら、きちんと「ありがとうございます」と伝えることが大切です。

最終的にはご自分から柵につかまり立つまでになりました。

これが、共依存にならないための方法だと思います。

実際、時間のかかることです。

そして相手は人間で、その日の気分や体調によっても違ってきますので、簡単ではありません。

簡単でありませんが、一度共依存になってしまうと、お互いが辛くなっていくばかりです。

助けたい気持ちを時にはぐっとこらえましょう。

共依存だと気づいた場合は自分で解決しようとはせず、私の体験のように皆さんで声かけや手助けの方法を模索すると良いでしょう。

どこに相談するといいの?

どこに相談すればいいの?

その職場の上司やケアマネージャー、カウンセラーでもいいかもしれません。

私は第3者の意見が必要だと思います。

ガチガチに共依存で固まった考えを解きほぐしてくれるのは、第3者の的確な意見ではないでしょうか。

依存に飲まれていないからこそ言える意見もあります。

まずは、人の話をきちんと聞く体制を整えましょう。

共依存は介護だけではありません。

お互いを必要とされる場面ではおこりやすいものです。

親子間、夫婦間でも起きることです。

共依存になってしまうと抜け出すのが大変です。

やっかいなのが、もとは助けてあげたいというやさしさから来ている、ということ。

優しい人ほどなりやすいのです。

そしてはまっていき、抜け出せなくなり、鬱になってどん底に落ちていきます。

ひとりでは抱えずに他の方と交流する場を設けましょう。

病院の先生や家族、友達や兄弟姉妹など近い人でいいのです。

小さなやさしさの種が最大限の花を開くことができるよう、皆さんで助け合っていきましょう。