介護と介助の違いは何?法律や資格にも違いはあるの?
今、高齢化社会の日本は介護が注目されています。
介護による事件や、家族内の問題、介護施設や訪問介護で働く人々。
介護に関わる方はとても多いでしょう。
私も介護関係で働く一人です。
これからもっと介護社会になっていく中、介護について少しでも知っていただければなと思います。
目次
法的に違うの?
法律まではいかないですが、日本社会事業学校連盟・全国社会福祉協議会施設協議会連合会により、
「介護とは、老齢者や心身の障がい者など日常生活を営む上で困難な状態にある個人を対象に、専門的な対人援助を基盤に新進的・精神的・社会的に健康な生活の確保と成長、発達をめざし、利用者が満足できる生活の自立を図ること」
と定められています。
大まかにいうと、介護という大きな枠の中に介助があるという考えです。
資格は違うの?
介護・介助ともに資格がなくても働けます。
ですが、各々資格を持っていた方が安心して働くことができます。
その資格について紹介していきます。
① 介護
大まかに、4つの資格があります。
- 「介護職員初任者研修」
- 「介護職員実務者研修」
- 「介護福祉士」
- 「ケアマネージャー」
その中でも取得しやすいのが「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」です。
そこから実務経験を積み、国家試験に合格すると介護福祉士になります。
たくさんの経験が必要になってきます。
その他、視覚障害・聴覚障害・知的障害の方たちのための資格などもあります。
② 介助
サービス介助士という資格があり、これは駅やデパートなど公共の場での介助を専門とした資格です。
街中の色々な標識や足元のブロックなど改革されてきてはいますが、まだまだ障害のある方が何不自由なく出かけるにはほど遠いことでしょう。
街中で困ったとき手助けする。
それがサービス介助士のお仕事です。
それぞれの種類、方法の違いがある?
介護は、食事や排せつ入浴など身の回りのお世話などを本人や家族、ケアマネージャーたちが話し合い決めていく、行動も含めての意味です。
一方、介助は付き添い・サポートなど、食事や入浴などの手助けそのものを指します。
ですから、介護という自立を促すことを目的としたプランを実行するのが介助となるのです。
わかりやすく言いますと、介護は介助や援助相談など、その方に対する支援の全体を言います。
介助はその中の入浴、食事、排泄など具体的な支援を指します。
お体の不自由な方のお手伝い、聴覚に障害がある方への接客、車いす利用の方の交通機関での介助や視覚障害の方の手引きなど具体的にはこのようなことです。
ですから、厳密にいえば違いはありますが身体的・心身的に助けがいる方への手助け、という観点から見ると、介護や介助は大きな違いはありません。
最後に
生活していくうえで障害のある方や高齢者の方と接する機会がない方は少ないでしょう。
多くの方は介助しているのではないでしょうか。
バスや地下鉄などで困っている方に「大丈夫ですか?」と声をかける、足腰が辛そうな方の下に落としたものを拾う、車いすを押すなどそこらへんに介助は行われています。
私が考える介護・介助はそういった少しのやさしさが織りなすものではないでしょうか。
資格がないからと怖がらずに、街中で困った方を見かけたら声をかけてあげましょう。
その第一歩がその方の身体も助け、心も温かくし心のケアにもつながります。
私の祖母は私が中学の時に亡くなりました。
糖尿を患い、合併症も出ていました。
その中で私は車いすを押したり話し相手になってあげることしかできずに、もやもやでした。
その体験があってもう少し技術があったならと思い、介護職に進みました。
でもそのコミュニケーションが祖母の心のケアになっていたのではないかと、介護の職について気づきました。
体の介助だけでは心は救われません。
暖かい心をもった介助だからこそ、障害の方や高齢者が笑顔で過ごすことができるのではないかと思います。
街中で困った方を見かけたら優しく声をかけてあげてください。
資格はいりません。
暖かい心が困った方を救います。